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インドネシア法務

<第1回>インドネシア事業からの撤退概論

投稿日:2017年11月10日 更新日:

インドネシア事業からの撤退について

はじめに

インドネシア法務を取り扱う本コラムでは、「インドネシア事業からの撤退」をまず取り上げます。具体的には、インドネシアに現地法人を設立している場合において、インドネシア事業から撤退するためにはどのような方法があり、それぞれどのような手続を経るのか、またその際の注意点、といった事柄を取り扱います。

いきなり撤退の話から始めることは不自然なようですが、既にインドネシアにおいて現地法人を設立して事業を行われている方々はもとより、これからインドネシアに進出して事業展開を図ろうと考えている方々にとっても、あらかじめ撤退に関する情報を手に入れておく方が有益であると考えられます。

インドネシア事業からの撤退方法

ビジネス資料

今回は、インドネシア事業から撤退する際にどのような方法があるのか、という点を取り扱います。

インドネシアでの事業展開においてはさまざまな方法を採ることが考えられますが、インドネシアに拠点を設立する場合に一般的に用いられるのは現地法人の設立です。そのため、ここでは現地法人を設立している場合の撤退について取り扱います。

現地法人を持っている場合において、考えられる撤退の方法は次の2つです。一つは、株主総会において解散の決議を行い、清算をする方法、もう一つは、保有株式を他者に譲渡する方法です。解散・清算の場合は清算手続を経ることにより、現地法人の法人格は消滅します。一方、株式譲渡の場合は、現地法人の法人格は消滅せず、新たな株主の下で事業が継続されることとなります。

いずれを選択するかにおいて重要となってくるのは、手続的な負担の違いです。これら2つを比較したとき、一般的に株式譲渡の方が負担は少なく済みます。

これは解散・清算においては税務調査が行われるということによります。インドネシア法人は設立時にNPWPという納税者整理番号を取得しますが、清算においてはこのNPWPの返納が必要となり、そのときに税務署による調査が行われます。この調査は過去の納税分に関して行われるもので、長期間に亘ることが多々あります。一方で、株式譲渡においては法人が存続しますので、NPWPの返納は必要ではありません。

また、解散・清算においては従業員の解雇及びそれに伴う退職金の支払いといった点も問題となります。

このような理由から、インドネシアからの撤退を考える際、まず検討すべきは現地法人の株式を他者に譲渡することとなります。ただし、当然のことですが、株式の買い手がいることが前提となる点には注意が必要です。

次回からはまず株式譲渡について詳しく見ていきます。

※本コラムは、一般的な法律情報を提供することを目的としております。法的若しくは専門的なアドバイスの提供を目的とするものではありませんので、個別具体的なケースにおける取扱いについては必ず現地専門家等へご相談ください。

※本コラムは、The Daily NNAにおいて配信いたしましたコラムを再編成しております。

-インドネシア法務
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