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インドネシア法務

<第3回>株式譲渡⑵

投稿日:2018年1月17日 更新日:

株式の取得予定者との間で株式の譲渡に関する協議を経て、最終的な合意に至った後、譲渡のための手続が行われます。会社の支配権の移転を伴う株式譲渡については、インドネシア会社法上の買収の手続を履践する必要があります。このほか、株主の変更に関し、インドネシア投資調整庁(BKPM)における手続も必要となります。以下では、会社法上の手続を中心に見ていきます。

買収について、インドネシア会社法は、どのようにして株式を取得するかという視点から、対象会社の取締役会経由で株式を取得する方法と対象会社の株主から直接株式を取得する方法の2つを用意しており、各手続に相違点があります。事業撤退に伴い株式を譲渡する場合は後者の方法ですので、以下では対象会社の株主から直接取得する方法に関する手続を見ていきます。

買収の概要に関する協議、新聞公告

まず、買収の概要について、定款の内容(特に株式譲渡に関するもの)に留意して、株式取得予定者との間で協議を行う必要があります。

会社法は、対象会社の取締役会経由で株式を取得する買収に関し、所定の事項を含む買収計画の策定を要求しています。会社法所定の事項は、会社名や本店所在地、買収の理由説明や買収株式数のほか、買収に反対の株主の権利の清算方法や当事会社の財務諸表などです。
一方、株主から直接取得する方法の場合は会社法所定の買収計画を策定することは必要ではありませんが、新聞公告のために概要を用意しておく必要はあります。

買収の概要を定めた後、対象会社の従業員への通知、債権者に異議の機会を与えるための新聞公告を行います。

従業員への通知

後で取り上げる通り、買収手続において株主総会の承認が必要とされていますが、それに先立ち、株主総会招集の30日以上前に、対象会社の従業員に対して、書面で買収の通知を行わなければなりません。

この手続は、インドネシア労働法が定める退職金の規定と関係します。

インドネシア労働法は労働関係終了事由を列挙しており、それぞれの事由の退職金も合わせて定めています。そして、通常の自己都合退職のほか、組織再編行為が行われる場合に従業員から退職を申し出ることも認めており、この退職について通常の自己都合退職の場合よりも多くの退職金が定められています(労働法に関しては別の機会に取り上げる予定です。)。

通常の場合よりも多い退職金を受け取って退職するかどうか判断する機会を与えることを目的として、従業員への通知がなされます。

次回は、引き続き会社法に定められた買収に関する手続を取り扱う予定です。

※本コラムは、執筆時点における一般的な法律情報を提供することを目的としております。法的若しくは専門的なアドバイスの提供を目的とするものではありませんので、個別具体的なケースにおける取扱いについては必ず現地専門家等へご相談ください。

※本コラムは、The Daily NNAにおいて配信いたしましたコラムを再編成しております。

-インドネシア法務

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