• HOME
  • 海外業務
  • 国内業務
  • 事務所紹介
  • 弁護士紹介
  • 採用情報
  • お問い合わせ

インドネシア法務

<第4回>株式譲渡⑶

投稿日:2018年1月31日 更新日:

今回も、前回に引き続き買収手続の概要を取り扱います。

新聞公告、債権者異議手続

株式取得予定者との間で成立した合意に基づき買収計画の概要を定めた後、従業員への通知に加え、新聞での公告を行う必要があります。これは、現地法人の債権者に異議申立ての機会を与えるためです。

新聞公告もまた従業員への通知と同じく、株主総会での承認に先立って行う必要があり、具体的には株主総会招集の30日以上前に、少なくとも1紙の全国紙において公告を行います。
現地法人の債権者は、新聞公告が行われた後14日間、異議を申し立てることが可能です。債権者による異議申立てがあった場合、会社の取締役会はその債権者との間で交渉を行うこととなり、解決が図られるまでは買収手続を行うことができないものとされています。一方、新聞公告後14日経っても異議を申し立てない債権者は買収に同意したものとみなされます。

株主総会の決議

買収においては現地法人の株主総会における承認の手続が必要となります。
買収の承認に関する定足数や決議要件について会社法に定めが置かれていますが、通常は書面決議の手続が採られることとなります。書面決議とは、全株主が承認する場合において株主総会を実際に開催することなく、決議書への全株主の署名をもって決議とすることをいいます。撤退に伴う株式譲渡の場面に限らず、定時株主総会においても用いられる方法です。

公正証書の作成と法務人権省への届出

買収に該当する株式譲渡については、インドネシア語での公正証書の作成が求められています。一方、買収に該当しない通常の株式譲渡では公正証書作成までは法律上求められてはいません。
この公正証書の写しを添付して、法務人権省に株主変更の届出を行います。
なお、インドネシアにおいて、公正証書はノタリス(Notaris。「公証人」とも呼ばれます。)によって作成されます。ノタリスは公正証書作成のほか、法務人権省への申請などの業務も行います。

買収結果の新聞公告

買収に必要とされる手続の締めくくりは、買収結果の新聞公告です。買収の効力発生日から30日以内に、1紙以上の全国紙に行う必要があります。

次回は、買収に該当しない株式譲渡の手続について取り扱います。

※本コラムは、執筆時点における一般的な法律情報を提供することを目的としております。法的若しくは専門的なアドバイスの提供を目的とするものではありませんので、個別具体的なケースにおける取扱いについては必ず現地専門家等へご相談ください。

※本コラムは、The Daily NNAにおいて配信いたしましたコラムを再編成しております。

-インドネシア法務

執筆者:

関連記事

<第8回>解散・清算⑶

今回は引き続き、清算手続を取り扱います。 清算人による清算手続 清算人は、自らを選任した株主総会に対して(解散事由によっては裁判所によって選任されますが、その場合は裁判所に対して)、清算業務に関する責 …

<第7回>解散・清算⑵

前回取り扱いました株式会社の解散に続き、清算手続について取り扱います。 インドネシアに設立した現地法人の株主総会において解散の決議がなされた場合、清算人による清算手続が行われます。 新聞等における公告 …

<第10回>合弁契約における解消への対処⑵

今回は、事業撤退の方策の一つである株式譲渡と関係がある合弁契約の条項をいくつか取り扱います。ここでは、自らが撤退する場面で機能するものに限らず、株式の譲渡に関連するものを取り上げます。 株式の譲渡制限 …

<第6回>解散・清算⑴

インドネシアに現地法人を設立して事業を展開していた企業がインドネシア事業から撤退する際に考えられる方法として、前回までに取り扱った現地法人の株式の譲渡のほか、解散及びこれに続く清算が考えられます。 現 …

<第11回>合弁契約における解消への対処⑶

今回は、事業撤退のもう一つの方策である現地法人の解散・清算と関係がある条項について取り扱います。 合弁事業の終了 合弁によって設立された現地法人の経営状態が著しく悪くなったような場合やいわゆるデッドロ …