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インドネシア法務

<第8回>解散・清算⑶

投稿日:

今回は引き続き、清算手続を取り扱います。

清算人による清算手続

清算人は、自らを選任した株主総会に対して(解散事由によっては裁判所によって選任されますが、その場合は裁判所に対して)、清算業務に関する責任を負います。

清算業務は以下の通りです。
① 会社の資産及び負債の調査
清算人は会社の資産及び負債に関する調査を行います。
清算人は、会社の債務超過が予想される場合、法令に別段の定めがなく、住所などが知れている債権者全員が破産手続以外での清算に同意している場合を除いて、破産手続開始の申立てを行わなければならないとされています。
② 分配計画の作成・公告
清算人は資産及び負債の調査を踏まえて、清算結果としての分配計画を作成し、新聞及び官報において公告します。
会社の債権者は公告から60日間、分配計画への異議を申し立てることができます。清算人がこの異議申立てを拒否した場合、債権者は拒否から60日以内に裁判所へ訴えを提起することができるとされています。
③ 資産の換価及び分配
清算人は会社保有資産を金銭に換えるために必要な行為を行うことができます。
その後、分配計画に基づいて会社債権者への支払いを行ったのち、財産が残った場合はこれを株主へ分配することとなります。

住所などが会社に知られていなかった債権者の取扱い

清算手続の初めに公告を行い、会社債権者による請求提出の期間が定められます。しかし、会社の解散時に住所などが会社に知られていなかった債権者については、清算手続開始時の公告から2年間は地方裁判所を通じての請求が認められています。この債権者に対しては、株主へ分配されることとなっていた残余財産から弁済が行われます。しかし、既に株主へ残余財産が分配されていた場合は、地方裁判所が清算人に対し株主へ分配した財産を取り戻すように命じ、この命令を受けて株主は請求額と受取額を按分して分配された財産を会社に返還することとなります。

清算手続の終了

清算手続が終わると、清算人は株主総会に報告を行い、これを受けて株主総会は清算人の職務完了と職務からの解放を決議します。
その後株主総会への報告日から30日以内に、清算人は新聞における結果の公告及び法務人権大臣への報告を行います。会社の法人格消滅の記録、会社登録簿からの会社名の抹消、法人格喪失の官報公告が行われ、手続が終了します。

次回からは、合弁契約における撤退への対処などを取り扱う予定です。

※本コラムは、執筆時点における一般的な法律情報を提供することを目的としております。法的若しくは専門的なアドバイスの提供を目的とするものではありませんので、個別具体的なケースにおける取扱いについては必ず現地専門家等へご相談ください。

※本コラムは、The Daily NNAにおいて配信いたしましたコラムを再編成しております。

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