身近な人が亡くなり、不動産を相続することになったものの、「名義変更はいつまでに必要なのか」「相続税はかかるのか」「相続人同士でどう分ければよいのか」とお困りではありませんか。
不動産相続では、遺言書の確認や必要書類の収集、遺産分割協議、相続登記、相続税の申告など、期限のある手続きを順番に進める必要があります。
相続放棄は3か月以内、相続税の申告・納税は10か月以内、相続登記は3年以内と、手続きごとに期限が異なる点に注意が必要です。
本記事では、不動産相続の手続きの流れや相続税の計算方法、不動産を手放したい場合の選択肢を、法律上の制度に沿って解説します。
全体像を把握しておけば、何をいつまでに行うべきか整理しやすくなります。まずは不動産相続の基本的な流れを確認し、自分のケースで必要な対応を見ていきましょう。
不動産相続の手続きはどのように進める?

不動産の相続では、遺言書の確認から始まり、相続登記と相続税の申告まで、複数の手続きを段階的に進めていく流れが一般的です。
おおまかな流れは以下の6ステップです。
- 遺言書の有無を確認する
- 不動産相続の手続きに必要な書類を集める
- 相続人と相続財産(不動産)を確認する
- 遺産分割協議で取得者を決める
- 相続登記(名義変更)を行う
- 相続税の申告・納税を期限に注意して進める
1. 遺言書の有無を確認する
不動産の相続を進めるにあたって、まず亡くなった人が遺言書を残していないかを確認します。遺言書がある場合、その内容が遺産分割の基本です。
自筆証書遺言が見つかった場合は、無断で開封してはいけません。家庭裁判所で検認という手続きを受ける必要があり、検認を経ずに開封したり執行したりすると、民法第1005条により5万円以下の過料の対象になります。
公正証書遺言や、法務局に保管された自筆証書遺言は検認が不要です。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産の取得者を決めます。
2. 不動産相続の手続きに必要な書類を集める
不動産の相続登記や遺産分割協議には、戸籍関係・不動産関係・遺産分割協議書関係の3種類の書類が必要です。
書類によっては、取得には時間がかかることもあるため、早めに準備をはじめましょう。
3. 相続人と相続財産(不動産)を確認する
必要書類が集まったら、戸籍謄本などをもとに相続人を確定します。相続人が確定したら、相続財産として不動産が含まれているかどうかも確認しましょう。
不動産の有無は、故人が保管していた固定資産税の通知書や、法務局で取得できる登記事項証明書で確認できます。ほかの市区町村に不動産がある可能性がある場合は、各市区町村で発行している名寄帳(固定資産の一覧)を活用するとよいでしょう。
借地権や未登記の建物など、登記されていない不動産が含まれることもあります。すべての財産を把握してから遺産分割協議に進むことが大切です。
4. 遺産分割協議で取得者を決める
不動産の相続人が複数いる場合は、遺産分割協議で誰が不動産を取得するかを決めます。協議には相続人全員の参加と合意が必要で、ひとりでも欠けると協議は無効です。
合意内容は遺産分割協議書にまとめ、全員が実印を押します。実印や印鑑登録証明書は、相続登記や預貯金の解約手続きなどで必要です。
遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停や審判を利用する方法も検討してみましょう。
5. 相続登記(名義変更)を行う
遺産分割協議がまとまったら、不動産の名義変更(相続登記)を法務局に申請します。
2024年4月1日から相続登記が義務化されており、不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。正当な理由なく期限内に申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。
2024年4月より前に相続が発生した未登記の不動産も対象であり、その場合は2027年3月31日までに登記申請が必要です。
6. 相続税の申告・納税を期限に注意して進める
不動産を含む相続財産の総額が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告・納税が必要になります。不動産の評価額は、土地と建物それぞれの方法で算出します。
申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税が課される場合があります。書類の収集や評価額の計算には時間がかかるため、早めに着手しましょう。
不動産の相続は、期限のある手続きを並行して進める必要があり、ご自身での対応が難しい場合もあります。手続きの進め方に不安がある場合は、千代田中央法律事務所にご相談ください。
不動産相続の手続きに必要な書類

相続登記や相続税の申告では、大きく分けて3種類の書類が必要です。
主な必要書類と取得先を一覧にまとめました。
| 種類 | 主な書類 | 取得先 |
|---|---|---|
| 戸籍関係 | ・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本 ・相続人全員の戸籍謄本 ・不動産を取得する相続人の住民票(住所証明書) | 市区町村役場 |
| 不動産関係 | ・登記事項証明書 ・固定資産評価証明書 | 法務局、市区町村役場(東京都は都税事務所) |
| 協議書関係 | ・遺産分割協議書 ・相続人全員の印鑑登録証明書 | 自身で作成、市区町村役 |
相続関連の書類は種類ごとに取得先が異なるため、早めに準備をはじめましょう。
1. 相続人を確認するための戸籍関係書類
相続人を確定するには、亡くなった人と相続人の戸籍関係書類を集め、相続関係を途切れなく確認できる状態にする必要があります。
具体的には、以下の書類を用意します。
- 亡くなった人の出生から死亡までつながる戸籍謄本
- 亡くなった人の除籍謄本
- 亡くなった人の改製原戸籍謄本
- 相続人全員の現在の戸籍謄本
- 不動産を取得する相続人の住民票、または住所証明書
亡くなった人の戸籍は、出生から死亡まで途切れなくそろえる必要があります。途中で本籍地を移していたり、婚姻や転籍があったりすると、複数の市区町村で戸籍の取得が必要です。
2024年3月から戸籍の広域交付制度が始まり、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍を請求できるようになりました。ただし、広域交付では兄弟姉妹の戸籍は請求できないため、兄弟姉妹が相続人になるケースでは本籍地への個別請求が必要です。
参考:法務省:戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)
2. 不動産を確認するための登記事項証明書・固定資産評価証明書
相続する不動産の詳細を確認するために、法務局で登記事項証明書を取得します。登記事項証明書は、所有者の氏名・住所や面積、抵当権の有無などが記載された書類です。
固定資産評価証明書は、相続登記の登録免許税の計算や不動産の評価額の確認に使います。市区町村の窓口、または東京都の場合は都税事務所で取得できます。
3. 遺産分割協議書・印鑑証明書
相続登記の申請には、相続人全員が合意内容を記した遺産分割協議書と、各自の印鑑登録証明書が必要です。遺産分割協議書は、取得する不動産を特定できるよう、土地の地番や家屋番号などを正確に記載します。
遺言書によって相続する場合、遺産分割協議書は不要ですが、遺言書の原本または謄本が必要です。
不動産相続の手続きはいつまで?注意すべき期限

不動産相続に関係する主な期限は3つです。期限によって起算点が異なるため、それぞれ確認しておきましょう。
3か月:相続放棄・限定承認の判断
自分が相続人になったと知った日から3か月以内に、相続放棄や限定承認をするかどうかを決める必要があります。この期間内に何もしないと、借金も含めてすべてを引き継ぐ単純承認として扱われる点に注意が必要です。
財産調査が間に合わない事情がある場合は、家庭裁判所へ熟慮期間の伸長を申し立てることもできます。
10か月:相続税の申告・納税
相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、相続税の申告と納税を行います。不動産の評価額の計算を含むため、書類の準備には時間がかかる点に留意しましょう。
期限を過ぎると無申告加算税や延滞税が課される場合があるほか、配偶者の税額軽減などの特例適用に影響が生じることもあります。
3年:相続登記
不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請が必要です。2024年4月1日から義務化されており、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
また、遺産分割が成立した場合は、遺産分割が成立した日から3年以内に本登記の申請が別途必要です。
遺産分割がまとまらない場合でも、相続人申告登記という簡易な方法で期限内の申請義務に対応できます。
不動産相続にかかる費用

不動産相続には、登記の税金から書類取得の手数料まで、複数の費用が発生します。代表的な費用は以下の4つです。
| 費目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 相続登記の登録免許税 | 固定資産税評価額の0.4% | 評価額2,000万円なら8万円 |
| 書類の取得費用 | 1通あたり数百円〜 | 戸籍謄本450円、登記事項証明書600円など |
| 不動産の相続税 | 評価額・控除により変動 | 基礎控除を超える場合に課税 |
| 専門家への依頼費用 | 依頼先・難易度により変動 | 司法書士・税理士・弁護士など |
費目によって金額の算定方法が異なるため、何にいくらかかるのかを把握しておきましょう。
相続登記の登録免許税
相続登記を申請する際には、登録免許税がかかります。税額は、固定資産税評価額の0.4%です。
たとえば、固定資産税評価額が2,000万円の不動産であれば、登録免許税は8万円になります。評価額は毎年変わることがあるため、申請時点の証明書を確認しましょう。
戸籍謄本・住民票などの取得費用
手続きに必要な書類を取得する際には、1通ごとに手数料がかかります。相続人の範囲や不動産の数によって必要枚数が変わるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
主な書類の手数料は以下のとおりです。
- 戸籍謄本(全部事項証明書):450円/通
- 除籍謄本・改製原戸籍謄本:750円/通
- 住民票:市区町村により異なる(数百円程度)
- 登記事項証明書:600円/通(窓口・郵送)
- 固定資産評価証明書:市区町村により異なる
手数料の詳細は、各市区町村・法務局の窓口または公式サイトでご確認ください。
不動産の相続税
相続財産の総額が基礎控除額を超える場合は、不動産の評価額も含めて相続税の計算が必要です。
基礎控除額の範囲内であれば、相続税の申告・納税は原則不要です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、申告を要件とする特例を使って税額が0円になる場合は、申告書の提出が必要です。
弁護士などの専門家に依頼する費用
相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士に依頼するケースがあります。費用は手続きの複雑さや依頼する専門家によって異なります。
相続人間で意見が対立している場合は、弁護士への相談も選択肢のひとつです。複数の専門家に相談・見積もりを取ったうえで依頼先を検討するとよいでしょう。
不動産の相続税はどう計算する?

不動産の相続税額を求めるには、土地と建物それぞれの評価方法を理解しておくことが必要です。ここでは、相続税の計算方法について、以下のポイントで詳しく解説します。
土地は路線価方式または倍率方式で評価する
土地の相続税評価額は、路線価方式か倍率方式のどちらかで計算します。どちらを使うかは、対象の土地が路線価地域にあるかどうかによって決まります。
路線価方式は、道路に面した土地の価額(路線価)をもとに評価する方法です。路線価は国税庁が毎年発表しており、路線価図で確認できます。
倍率方式は、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて計算する方法です。路線価が設定されていない地域の土地に適用されます。倍率は国税庁の評価倍率表で確認できます。
建物は固定資産税評価額を基準に評価する
建物の相続税評価額は、固定資産税評価額を基準に計算します。固定資産税評価額は、毎年市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に記載されています。
賃貸用建物は、固定資産税評価額から借家権割合と賃貸割合を反映して評価します。借家権割合は年分ごとに確認が必要です。
計算式は、固定資産税評価額 − 固定資産税評価額 × 借家権割合 × 賃貸割合です。借家権割合は借主の権利を反映するための割合で、令和7年分では全都道府県で30%とされています。
賃貸割合は、建物のうち実際に貸している部分の割合です。なお、継続して貸していた部屋が一時的に空室になっているだけであれば、一定の条件で賃貸中として扱える場合があります。
基礎控除を差し引いて相続税がかかるか確認する
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
たとえば法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)です。不動産を含む相続財産の総額からマイナスの財産を差し引いた課税価格の合計がこの額を超えない場合は、相続税の申告・納税は不要です。
相続税の計算では、預貯金・有価証券に加え、生命保険金などのみなし相続財産も確認しましょう。
小規模宅地等の特例で評価額を減額できる場合がある
一定の要件を満たす場合、小規模宅地等の特例を使うと不動産の評価額を減額できます。代表的な適用区分は以下のとおりです。
| 適用区分 | 減額割合 |
|---|---|
| 特定居住用宅地等(被相続人が住んでいた土地) | 330㎡まで評価額の80%を減額 |
| 特定事業用宅地等(被相続人が事業に使っていた土地) | 400㎡まで評価額の80%を減額 |
| 貸付事業用宅地等(被相続人が賃貸していた土地) | 200㎡まで評価額の50%を減額 |
評価額を減額できるかどうかは、要件を満たしているかによります。特例の適用には相続税の申告書の提出も必要です。
参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例|国税庁
不動産を複数の相続人で分ける4つの方法

不動産を複数の相続人で分ける際の主な方法は4つです。それぞれの特徴と向いているケースを整理しておきましょう。
| 分割方法 | 内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 現物分割 | 不動産をそのまま特定の相続人が取得する | 取得者が決まっており、他の相続人が了承している |
| 代償分割 | 取得者が他の相続人に代償金を支払う | 不動産を売らずに残したい、取得者に資金がある |
| 換価分割 | 売却して現金を相続人で分ける | 不動産を残す必要がない、公平に分けたい |
| 共有分割 | 複数人で共同所有する | 一時的に合意だけしておきたい場合 |
どの方法を選ぶかによって、不動産の管理や売却のしやすさが変わります。
現物分割:不動産をそのまま取得する
現物分割とは、不動産を特定の相続人がそのままの形で取得する方法です。手続きが比較的シンプルであり、不動産を維持したい場合に向いています。
他の財産との価値の差が大きいと、相続人間の取り分が不公平になりやすい点には注意が必要です。
現物分割とは?メリット・デメリットや流れ、費用、他の分割方法との違いを解説
代償分割:取得者が他の相続人に代償金を支払う
代償分割とは、不動産を取得した相続人が、ほかの相続人に対して金銭(代償金)を支払う方法です。不動産を売却せずに引き継げるため、引き続き住み続けたい場合などに向いています。
ただし、取得者に代償金を支払うだけの資金が必要です。事前に資金の準備ができるかどうかを確認してから協議に臨みましょう。
代償分割とは?代償金の決め方・税金・支払えない場合の対応まで解説
換価分割:売却して現金を分ける
換価分割とは、不動産を売却して得た代金を相続人で分ける方法です。金額で正確に分けられるため、不公平感が出にくいのが利点です。
不動産を誰も引き継がない場合や代償金を用意できない場合に選ばれます。売却に時間や費用がかかる点も踏まえて検討しましょう。
換価分割とは?メリットやデメリット、手続きの流れをわかりやすく解説
共有分割:複数人で共同所有する
共有分割とは、相続人が不動産を共有名義で引き継ぐ方法です。協議をまとめやすい半面、将来の管理・処分で共有者全員の合意が必要になる場面があります。
次の世代へと相続が進むと、共有者が増えて権利関係が複雑になりやすい点には注意が必要です。
共有分割とは?メリットやデメリット、想定されるトラブルなどを紹介
相続した不動産を手放したい・管理できない場合の選択肢

不動産を相続したものの、活用も維持もできないケースがあります。主な選択肢は以下の3つです。
どの方法が適しているかは、不動産の状態や相続人の希望によって変わります。
1. 相続開始を知ってから3か月以内なら相続放棄を検討する
不動産を含む相続財産を一切引き継ぎたくない場合は、相続放棄が選択肢のひとつです。自分が相続人と知った日から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する必要があります。
相続放棄をすると、不動産だけでなく、預貯金などのプラスの財産も受け取れなくなります。また、放棄した人は最初から相続人でなかったものとみなされるため、次の順位の相続人に相続権が移ることも覚えておきましょう。
借金などのマイナスの財産がある場合に有効な手段ですが、プラスの財産も手放すことになります。メリット・デメリットを踏まえて、慎重に判断しましょう。
2. 売却して現金化する
不動産を引き継いだあとに売却する方法もあります。売却すれば管理の手間がなくなり、現金として相続人で分けることも可能です。
相続した不動産を売却した場合には、譲渡所得税がかかることがあります。取得費や売却にかかった費用を差し引いたうえで、使える特例がないか確認しておきましょう。
代表的な特例には、相続税の一部を取得費に加えられる「取得費加算の特例」があります。相続税の申告期限の翌日から3年の期限があるため、売却前に期限を過ぎていないか確認しておきましょう。
参考:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
3. 相続土地国庫帰属制度の要件を満たすか確認する
2023年4月27日に施行された相続土地国庫帰属制度を使うと、一定の要件を満たす土地を国に引き渡せます。
ただし、すべての土地が引き取りの対象になるわけではありません。次のような土地は、申請が却下されたり承認されなかったりします。
- 建物が建っている土地
- 担保権や使用・収益を目的とする権利が設定されている土地
- 土壌汚染や地下埋設物がある土地
- 急傾斜地など、管理に過大なコストがかかる土地
一定の要件を満たさない土地は、制度を利用できない可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
制度の利用には法務局への審査申請が必要であり、申請時に審査手数料、承認後は10年分の管理費用相当額の負担金を納付する必要があります。
不動産相続手続きは自分でできる?

不動産相続の手続きは、ケースによっては自分で進めることもできます。一方で、状況によっては専門家に相談した方がスムーズに進む場合があります。
自分で進められるケース
相続人がひとりだけの場合や、遺言書による指定があり相続人全員が内容に合意している場合は、比較的手続きが進めやすいです。
相続登記の申請書類は法務局のサイトや窓口で確認できます。法務局の相談窓口を利用しながら手続きを進める方法もあります。
参考:法務局「相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等」
弁護士に相談したほうがよいケース
相続手続きが複雑な状況では、専門家に相談すると安心です。以下のような場合は、弁護士への相談を検討してみてください。
- 相続人同士で意見が対立しており、遺産分割協議がまとまらない
- 遺産に多額の借金や連帯保証人の立場が含まれる
- 遺言書の内容に疑義があり、無効を主張したい
- 遺留分の侵害を主張したい
- 家庭裁判所での遺産分割調停・審判を進めたい
不動産相続の手続きが複雑になるほど、期限内に必要な判断をするのが難しくなります。迷いがある場合は、早めに弁護士へ相談するとよいでしょう。
まとめ

不動産相続の手続きは、遺言書の確認から始まり、必要書類の収集、相続登記、相続税の申告まで、段階的に進めていくことが基本です。
守るべき期限は「3か月(相続放棄・限定承認の判断)」「10か月(相続税の申告・納税)」「3年(相続登記)」の3つです。それぞれ起算点が異なるため、混同しないよう注意しましょう。
不動産の相続税は、土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額をもとに評価します。小規模宅地等の特例が使えるかどうかも、早めに確認しておきたい点のひとつです。
複数の相続人がいる場合の分け方や、手放したい場合の選択肢はいくつかあります。自分のケースにあった進め方を見つけるためにも、専門家へ早めに相談しましょう。
千代田中央法律事務所では、不動産相続に関するご相談を受け付けています。手続きの進め方や不動産の分け方に迷っている人は、お気軽にご相談ください。

京都大学経済学部卒業、同大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。
千代田中央法律事務所を開設し、スタートアップの資本政策・資金調達支援、M&Aによるエグジット・成長戦略の専門職支援と法人破産手続き、事業再生手続きによる再生案件を取り扱う。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動経験あり。

