住宅需要の変化や資材価格の高騰などの影響を受け、資金繰りに悩む工務店も少なくないでしょう。
経営が行き詰まることで、経営者自身の自己破産や、会社の法人破産を検討するケースもありますが、手続きの流れや注意点を正しく理解していないと、思わぬトラブルに発展するかもしれません。
本記事では、工務店が破産に至る主な原因や、破産した場合のリスク、実際の破産手続きの流れをわかりやすく解説します。また、未完成工事の扱いをはじめ、手続き時に注意すべきポイントも整理しています。
工務店と自己破産に関する基礎知識

工務店の破産において、「工事はどうなるのか」「支払ったお金は戻るのか」など、不安を感じる方もいるでしょう。まずは、どのような形で破産が行われるのかを理解することが大切です。
工務店が個人事業なのか法人なのかによって、破産の手続きや契約への影響は変わってきます。
ここでは、工務店の破産の種類や、倒産・廃業との違いなど、状況を正しく判断するための基本知識を解説します。
個人事業主の場合は自己破産できる
個人事業主として工務店を経営している場合は、経営者本人が自己破産の手続きを行います。個人事業主は事業と個人が法律上分離されていないため、事業の借金も経営者個人の借金として扱われるためです。
たとえば、住宅建築の資金繰りが行き詰まり、銀行からの借入や仕入先への支払いができなくなった場合、経営者が裁判所へ自己破産を申し立てます。
自己破産では、一定以上の財産を整理して債権者へ分配した上で、裁判所の免責許可が認められれば、税金や養育費などの「非免責債権」を除く借金の支払い義務が免除されます。個人事業主の場合は、事業の借金と個人の借金をまとめて整理する点が特徴です。
自己破産の基本的な仕組みや手続きの流れは、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
自己破産とは?手続きの進め方や条件、費用相場、注意点を解説 | 千代田中央法律事務所
法人化している工務店は法人破産を検討する
法人として運営している工務店の場合、会社を清算する法人破産の手続きが行われるのが一般的です。法人は経営者個人とは別の存在として扱われるため、基本的には会社名義の資産が整理の対象になります。
たとえば、会社が所有している建設機械や資材、預金などを売却し、その資金を債権者へ分配する形になります。
ただし、代表者が会社の借入の連帯保証人になっている場合、会社が破産すると代表者個人にも返済義務が及ぶため、会社の法人破産と同時に代表者が自己破産を行うケースも少なくありません
会社が破産すると事業の継続は難しくなるため、建築中の工事が途中で止まる可能性がある点は理解しておく必要があります。
法人破産の費用や手続きの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
法人破産とはどういう手続き?費用相場やメリット・デメリット、スケジュールを解説 | 千代田中央法律事務所
自己破産と倒産・廃業との違い
自己破産や倒産、廃業は似た言葉ですが、それぞれ意味が異なります。
自己破産は、裁判所の手続きを通じて借金を整理する制度です。一定の財産を清算して債権者へ分配し、免責が認められれば税金や養育費などの「非免責債権」を除く借金の支払い義務がなくなります。
倒産は、会社や事業者が借金を返済できなくなり、経営を続けられなくなった状態を指す一般的な言葉です。一方、廃業は後継者不足や経営者の判断などにより、自ら事業をやめることを意味します。
倒産や廃業の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
廃業とはどういう意味?倒産や解散との違い、メリット・デメリットなどを解説 | 千代田中央法律事務所
工務店が破産に至る主な原因

工務店は突然破産に至るわけではなく、さまざまな経営上の問題が重なった結果として、破産を選択することになります。
主な原因をあらかじめ知っておくことで、経営悪化の兆候や、注意すべきリスクにも気づきやすくなります。
ここでは、工務店が破産に至る主な原因を、具体例を交えながらわかりやすく解説します。
資材価格の高騰により利益が出なくなる
工務店が破産に至る原因のひとつが、木材や鉄鋼などの建築資材の価格高騰です。住宅建築では、契約時に工事代金が決まることが多いため、契約後に資材価格が上がる可能性もあります。
たとえば、3,000万円で請け負った住宅でも、工事途中で木材や設備の価格が大きく上昇すると、想定以上に費用がかかり、利益が出ないケースもあります。
元々利益率が低い工務店では、資材価格の高騰がそのまま経営悪化につながりやすく、資金不足から破産手続きに至るおそれもあるでしょう。
工期遅延や追加工事で赤字になる
工期の遅れや想定外の追加工事も、工務店の経営を圧迫する原因です。建築工事は予定どおりに進むとは限らず、天候不良や職人不足、設計変更などによって工期が延びることもあります。
工事が1〜2ヶ月遅れると、その間も現場管理費や人件費、機材のレンタル費用などが発生します。また、施工ミスや設計上の不備によってやり直し工事が必要になると、追加の材料費や人件費を工務店が負担する場合もあるでしょう。
このような予定外の支出が重なると、1件ごとの赤字が膨れ上がり、複数の現場で同じような状況が続けば、経営を維持することが難しくなります。
資金繰りが悪化し支払いができなくなる
工務店の破産に直結しやすいのが、資金繰りの悪化です。工務店では、契約金や着工金、中間金など、工事の進捗に応じて入金される仕組みが多く、手元資金に余裕がない状態で経営しているケースもあります。
たとえば、新たに受け取った前払い金を、別の現場の職人への支払いや資材代の支払いに充てている場合、予定どおり入金されなければ資金が不足します。
新しい入金で既存の支払いを回している状態は、いわゆる自転車操業に近い状態です。そのため、資金の流れが止まると、下請業者や仕入先への支払いができなくなり、工事の継続も難しくなります。
工務店が破産した場合のリスク

工務店が破産すると、進行中の工事の中断や取引先とのトラブルなど、さまざまなリスクが発生するおそれがあります。
ここでは、工務店が破産した場合に、直面しやすい主なリスクをわかりやすく解説します。
進行中の工事が中断するおそれがある
工務店が破産すると、進行中の住宅工事が途中で止まるおそれがあります。破産手続きがはじまると、会社の財産や契約関係の整理が優先され、これまでどおり工事を継続することが難しくなるためです。
たとえば、上棟まで進んでいた住宅でも、職人や業者が現場から引き揚げ、工事が停止するケースがあります。工事が止まったまま長期間放置されると、雨風による建物の劣化や、資材・設備の盗難などのリスクもあります。
そのため、まずは現場の状況や工事の進捗を写真や動画などで記録し、契約書や支払い記録などの資料を整理しておくことが重要です。
また、破産手続きの状況を確認し、破産管財人や専門家に相談した上で、必要に応じて別の施工会社へ工事を引き継ぐことを検討することも必要です。
施主や取引先とのトラブルが発生するおそれがある
工務店の破産は施主(家の建築を依頼した人)だけでなく、下請け業者や資材業者、近隣住民など多くの関係者に影響を及ぼすため、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。
たとえば、工事が突然止まったことで近隣住民から苦情が出たり、未払い代金について下請け業者や資材業者から施主へ問い合わせが入ったりします。
また、破産手続きがはじまると、これまでやり取りしていた担当者と連絡が取れなくなり、以後は破産管財人などを通じて対応することになるでしょう。
状況が混乱しやすい場面だからこそ、弁護士と協力しながら現在どのような手続きが進んでいるのかを確認し、施主や取引先に対して冷静に対応することが大切です。
下請け業者や資材業者への未払いが発生する
工務店が破産する場合、すでに下請け業者や資材業者への支払いが滞っているケースも少なくありません。施主が工事代金を支払っていても、そのお金が実際には各業者への支払いに充てられていないケースもあるでしょう。
代金の未払いがある状態では、業者が現場への搬入を止めたり、すでに搬入した資材や設備の引き揚げを主張したりすることで、現場が混乱する可能性があります。
また、施主が工事の進捗以上に代金を支払っていたとしても、破産手続きの中ですぐに返金を受けられるとは限りません。
そのため、契約書・請求書・領収書・振込記録などを整理し、支払い状況を客観的に確認できるようにしておくことが重要です。
工務店が破産手続きを行う流れ

工務店の経営が行き詰まり借金の返済が難しくなると、弁護士へ相談した上で破産手続きを進めることになります。
破産手続きは弁護士のサポートを受けながら、法律にもとづいた一連の流れで進められます。主な流れは以下のとおりです。
- 弁護士に相談し破産手続きを検討する
- 進行中の工事や契約案件を整理する
- 取引先や従業員へ事情を説明する
- 裁判所へ破産を申し立てる
- 破産手続き開始決定後に資産と債務を整理する
- 手続き終了後に会社は消滅し代表者は自己破産する
事前に流れを理解しておくことで、現在の段階を判断しやすくなり、適切に手続きを進められるでしょう。
1. 弁護士に相談し破産手続きを検討する
工務店の経営が苦しくなった場合は、まず弁護士へ相談し、破産手続きを進めるかどうかを検討します。借金の返済が困難になった段階で、会社の財務状況を整理し、自己破産以外の解決策を検討するためです。
資材費の高騰や工期の遅れによって資金繰りが悪化し、金融機関や取引先への支払いが難しくなった場合、自己判断だけでは適切な対応をすることは難しいでしょう。
この段階ではまだ正式な破産手続きははじまっていませんが、弁護士と相談しながら会社の資産状況や借入内容、契約関係などを整理し、今後の対応方針を決めていくことになります。
2. 進行中の工事や契約案件を整理する
破産の準備が進むと、工務店は進行中の工事や契約案件の整理を行います。損失の拡大を防ぐとともに、会社が抱えている契約や資産の状況を確認するためです。
たとえば、建築途中の住宅では職人の作業が止まり、現場にある資材や設備の管理が問題になるおそれがあります。また、未払いの資材費や下請け費用がある場合、関係業者との調整が行われます。
これらの情報を整理しておくことで、その後の破産手続きを円滑に進めやすくなるでしょう。
3. 取引先や従業員へ事情を説明する
破産申立ての準備が整うと、取引先や従業員に対して経営状況を説明します。住宅建築には多くの関係者が関わるため、職人や資材業者、金融機関などへ状況を共有する必要があるためです。
工務店のホームページで経営状況を告知したり、取引先へ通知を送ったりします。この段階では、現場の作業が停止していることも多く、関係者の間で状況が正しく伝わっていないこともあります。
そのため、今後の対応窓口や破産手続きの進捗についても、関係者へ適切に共有しておくことが重要です。
4. 裁判所へ破産を申し立てる
必要書類の準備や関係者への説明が終わると、弁護士が裁判所へ破産申立てを行います。裁判所が申立てを認めると破産手続開始決定が出され、会社の財産や契約を管理する破産管財人(弁護士)が選任されます。
債権者には通知が送られ、未払い代金がある場合は、その金額を裁判所へ届け出る債権届出の手続きをするのが一般的な流れです。住宅の工事代金をすでに支払っている施主も、工事の進捗により多くの費用を支払っている場合は、差額について債権者として届け出ることもあります。
その後は破産管財人が中心となり、会社の資産や借金の状況を調査しながら破産手続きが進められていきます。
5. 破産手続き開始決定後に資産と債務を整理する
破産手続きがはじまると、破産管財人が会社の資産や債務を調査し、財産を現金化して債権者へ配当するのが基本的な流れです。
たとえば、工務店が所有している建設機械や車両、預金などは売却され、その資金が金融機関や取引先への支払いに充てられます。
ただし、工務店の場合は資産が少ないケースもあり、債権者への配当がほとんど行われないことも珍しくありません。
6. 手続き終了後に会社は消滅し代表者は自己破産する
資産の整理や配当が終わると、裁判所が破産手続きの終結を決定し、工務店を法人化している場合は、法的に会社は消滅します。
なお、工務店によっては代表者が会社の借入の連帯保証人になっていることもあり、その場合は会社の破産とあわせて代表者本人も自己破産を行うケースが一般的です。
代表者の自己破産で免責許可決定が認められると、税金など一部を除く借金の支払い義務が免除され、生活の再建を目指すことができます。
工務店が破産手続きを行う際の注意点

工務店が破産すると、住宅建築の工事が止まるだけでなく、契約関係や支払い、現場管理などさまざまな問題が生じます。状況判断を誤ると、さらに損失が広がる可能性もあるため、落ち着いて対応することが重要です。
ここでは、工務店が破産手続きを行う際に注意しておきたいポイントを解説します。
未完成工事の扱いを確認する
工務店が破産すると、進行中の住宅工事は一時的に中断されることもあり、その後の現場の対応が重要になります。
破産手続きがはじまると契約関係は破産管財人の管理下に置かれるため、工事を再開する場合は契約解除や工事引き継ぎについて破産管財人との調整が必要です。
たとえば、建物の骨組みまで完成している状態でも、勝手に別の業者へ依頼して工事を再開できない場合があります。
まずは現場の状況を写真や動画で記録し、契約を解除するのか、別の工務店へ引き継ぐのかについて、弁護士と相談しながら判断することが重要です。
下請け・資材業者への支払い対応は慎重に行う
工務店が破産する場合、下請け業者や資材業者への支払いも滞っている可能性があります。そのため、職人や業者から施主へ直接支払いを求められるケースもあります。
原則として施主が代わりに支払う義務はありません。「材料費が支払われていないので工事を続けられない」と説明され、直接の支払いを求められるケースはあります。しかし、個別に支払うと、破産手続きの中でトラブルに発展するおそれがあります。
対応に迷った場合はひとりで判断せず、弁護士に相談し適切に進めていきましょう。
建設機械や工具のリース契約を確認する
建築現場にある足場や重機、工具などは、工務店の所有物ではなく、リース契約で借りている場合もあるでしょう。破産手続きがはじまると、リース会社が機材を回収することがあります。
しかし、現場に設置されている足場やクレーンが撤去されることで、建物の保護や安全管理に影響が出るかもしれません。これらは施主が自由に使用できるものではないため、勝手に使用したり移動したりすることは避けたほうがよいでしょう。
現場のトラブルを防ぐためにも、撤去の可能性がある場合は、写真や動画で現場の状況を記録し、弁護士に相談することが大切です。
偏頗弁済(特定の債権者だけに返済)を行わない
破産手続きでは、すべての債権者に公平に対応することが原則です。そのため、特定の相手だけに優先して返済を行う偏頗弁済は行ってはいけません。
たとえば、関係の深い職人や業者にだけ先に返済すると、破産管財人から返還を求められる可能性があります。代表者本人が自己破産する場合は、免責不許可事由として扱われる場合も考えられます。
このようなトラブルを避けるためにも、個別の判断で返済するのではなく、破産手続きのルールに従うことが重要です。万が一、優先的に返済を求められた場合は、弁護士に相談しながら対処しましょう。
財産や契約関係を正確に整理する
工務店が破産した場合は、契約内容や支払い状況を整理しておくことが重要です。住宅工事では、工事の進捗と支払った金額が適切かどうかを確認する出来高査定が行われるためです。
たとえば、基礎工事までしか進んでいないのに、工事代金の半分以上を支払っている場合は、過払いになっている可能性があります。
このような状況を確認するためにも、契約書・見積書・請求書・振込記録などの資料をまとめておくことが大切です。書類が整理されていれば、破産手続きへの対応や新しい工務店への引き継ぎも進めやすくなるでしょう。
工務店の破産手続きに関するよくある質問

工務店の破産手続きをする際に、「費用はどれくらいかかるの?」「破産すると建設業許可はどうなる?」といった疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、工務店の破産手続きに関するよくある質問に対して、ポイントを整理しつつわかりやすく解説します。
Q. 工務店が破産手続きする際の費用は?
Q. 自己破産以外にできる債務整理は?
Q. 破産すると建設業許可はどうなる?
Q. 破産しても工務店を再開できる?
Q. 工務店が破産手続きする際の費用は?
A. 工務店が破産する場合、自己破産でも法人破産でも、一般的に以下のような費用がかかります。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 着手金 | 20~50万円程度 | ・弁護士に正式依頼した時点で支払う費用 ・結果にかかわらず返金されないのが一般的 |
| 報酬金 | 0~30万円程度 | ・免責許可決定を得られた場合に支払う成功報酬 ・依頼する事務所によっては不要な場合あり |
| 実費 | 1~50万円以上 | ・裁判所に納める申立手数料や予納金、郵券(切手)代など ・手続きの種類によって金額は変動 |
必要な費用は借金の規模や、債権者の数などによって変動するため、詳しい金額は弁護士と相談しながら確かめましょう。
以下の記事では、それぞれ自己破産する場合と法人破産する場合の費用について解説しているので、自分の状況に合わせて破産手続きの参考にしてください。
自己破産を弁護士に依頼する際の基礎知識│費用や選び方、家族にバレない方法を紹介 | 千代田中央法律事務所
法人破産の弁護士費用の相場はいくら?同時に個人破産する場合も含めて解説 | 千代田中央法律事務所
Q. 自己破産以外にできる債務整理は?
A. 工務店の経営が悪化した場合でも、必ずしも自己破産を選ぶ必要はありません。借金を整理しながら生活や事業の立て直しを目指す方法として、個人再生や任意整理といった債務整理の手続きもあります。
個人再生は、裁判所の手続きを通じて借金を大幅に減額し、原則3〜5年で分割返済していく制度です。住宅ローンを維持できる制度もあるため、事業用の自宅や資産を守りながら再建を目指せます。
一方、任意整理は、弁護士などを通じて債権者と交渉し、将来利息のカットや返済条件の見直しを行う方法です。毎月の返済額を調整することで、事業を続けながら借金の整理を進められる可能性があります。
どの手続きが適しているかは状況によって異なるため、早めに専門家へ相談することが重要です。
以下の記事では、個人再生に関するメリットやデメリット、利用時の注意点をわかりやすくまとめています。
個人再生とは?メリットやデメリット・具体的な手順や利用時の注意点を解説 | 千代田中央法律事務所
Q. 破産すると建設業許可はどうなる?
A. 工務店が破産すると、建設業許可に影響が出る可能性があります。建設業法では、破産手続開始決定を受けて復権していない者は欠格要件に該当するため、建設業許可を維持できない場合があります。
また、法人として破産した場合は会社が清算されるため、同じ会社として建設業を継続することはできません。その結果、進行中の住宅工事をそのまま完成させることが難しくなり、別の施工会社へ工事を引き継ぐケースもあります。
破産後に再び工務店として事業を行う場合は、免責が確定して資格制限が解除されたあと、改めて建設業許可を取得することが必要です。
Q. 破産しても工務店を再開できる?
A. 破産手続きが終了し、個人の場合は免責が認められると、法律上は再び事業をはじめることが可能です。ただし、破産した会社の契約や保証が新しい会社に自動的に引き継がれるわけではありません。
以前の工務店が提供していたアフターサービスや保証は、新しい会社では対応できない可能性もあります。
そのため、破産後に再び工務店を立ち上げる場合は、旧会社の契約や保証との関係を整理し、新たな契約条件や保証内容を明確にした上で事業を再開することが重要です。
まとめ

工務店が破産に至る背景には、資材価格の高騰や工期遅延、資金繰りの悪化などさまざまな要因があります。
工務店が破産手続きを進める際は、進行中の工事や取引先との関係、未払い金など、さまざまな問題を整理しながら進めることが重要です。
そのため破産を検討する場合は、早めに破産手続きに強い弁護士に相談し、状況に合った解決策を見つけましょう。
決してひとりで抱え込まず、適切な手続きを理解した上で、冷静に次の行動を検討することが大切です。

京都大学経済学部卒業、同大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。
千代田中央法律事務所を開設し、スタートアップの資本政策・資金調達支援、M&Aによるエグジット・成長戦略の専門職支援と法人破産手続き、事業再生手続きによる再生案件を取り扱う。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動経験あり。

