コラム28
経営者が法人の保証債務を整理する場合、従来は主に破産手続が選択されていましたが、経営者保証に関するガイドライン(以下、経営者保証GL)が策定されたことで、新たな選択肢が提供されました。このガイドラインは、法人が破産する場合でも経営者個人の生活再建を支援し、公正かつ合理的に保証債務を整理するための基準です。
経営者保証GLは、融資時、保証の見直し時、そして保証債務整理時の3つの局面で適用されます。特に債務整理時においては、保証人が経済合理性の範囲内で一定の資産や生計費を残し、保証債務を一部免除する仕組みを提供します。このガイドラインを利用することで、破産による全財産の換価を避け、生活再建のための最低限の資産を保持することが可能です。
経営者保証GLを活用する場合、債権者との協議により残存資産の範囲を決定し、弁済計画を作成します。この計画がすべての債権者の同意を得られれば、保証債務の一部または全部が免除されます。これにより、破産を避けつつ、債務整理を進めることが可能です。
したがって、法人破産の際には、代表者個人の破産と同時に、経営者保証GLの利用の可能性も検討してみる価値があります。