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法人の債務整理とは?費用内訳や種類、メリット・デメリットを解説 | 千代田中央法律事務所

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法人の債務整理について、次のような悩みや疑問を抱えていませんか?

  • 事業の業績悪化により返済が難しくなってきた
  • 取引先への支払いが滞りそう
  • 金融機関からの督促や返済交渉がストレスになっている

上記のような状況の中で、債務整理という選択肢が気になっている経営者の方も多いのではないでしょうか。

法人の債務整理にはいくつかの方法があり、選び方を間違えると、経営者個人の責任が問われたり、事業の継続が難しくなったりすることもあります。

しかし、正しい債務整理の方法で早めに対応すれば、負債を最小限に抑え、事業を立てなおすことも可能です。

本記事では、法人の債務整理の基本から、民事再生や特別清算、破産など代表的な手続きの特徴や流れを紹介します。また、費用や手続きの期間、メリットからデメリットまでをわかりやすく解説しています。

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法人の債務整理とは?

法人の債務整理とは、経営が苦しくなった会社(法人)が借金の支払いを整理するための手続きです。債務整理には、主に以下2つの方法があります。

  1. 再建型:会社を立て直して再スタートを目指す
  2. 清算型:会社をたたんで清算する

資金繰りが悪化したり、債務超過で会社の資産より負債が多くなったりして、借金の返済が困難になった場合に検討される手段です。

項目内容
法人の債務整理の定義返済困難な企業の借金を法的
・私的な手続きで整理すること
手続きの分類・再建型:会社を立て直して存続させる手続き
・清算型:会社をたたみ法人格を消滅させる手続き
債務整理を検討すべき状況・赤字の継続
・資金ショート
・債務超過
手続きの選択の重要性・会社の状況や債権者との関係などを考慮する
・選択する手続き次第で会社の将来が大きく変わる

法人の債務整理は、会社の状況に応じて最適な手続きを選ぶことが重要です。

誤った選択は会社の再建機会を逃すおそれがあるため、早めに対応し専門家に相談しましょう。

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法人の債務整理の種類

法人の債務整理の種類には、主に以下の5つがあります。

法人の債務整理の種類内容
【再建型】私的整理裁判所を利用せず債権者(主に金融機関)と直接話し合い、返済計画の見直しや債務の一部免除などを目指す方法
【再建型】民事再生法律にもとづいて再生計画を立て、事業を続けながら債務整理し、会社の立てなおしを図る方法
【再建型】会社更生主に大企業向けの手続きで、裁判所が選んだ管財人が経営を引き継ぎ、債務整理し会社の再建を目指す方法
【清算型】破産手続会社の財産をすべてお金に換え、法律で定められた優先順位に従い債権者に公平に分配し、最終的に会社を消滅させる方法
【清算型】特別清算すでに解散した株式会社が、債権者の同意を得て、破産よりも簡単な方法で会社の借金を整理する方法

それぞれ、さらに詳しい内容を見ていきましょう。

【再建型】私的整理

私的整理は、裁判所を使わず、会社と金融機関などの債権者が直接話し合って借金の整理を行う方法です。手続きが非公開で進むため、会社の評判や取引先への影響を最小限に抑えられます。

また、柔軟に条件を調整できるため、事業を続けながら借金問題を解決したい会社にとって有効な選択肢です。費用も比較的安く、スピーディーに進められる点も大きなメリットです。

具体的には、個別に金融機関と交渉する方法のほか、事業再生ADRや中小企業活性化協議会など、第三者機関を通じて専門家の支援を受けながら進めるケースもあります。

ただし、法的拘束力がなく、関係する金融機関すべての同意が必要であり、1社でも反対すれば計画が成立しないというリスクがあるため、債権者との信頼関係が成功の鍵です。

【再建型】民事再生

民事再生は、経営が苦しくなった会社が事業を続けながら立てなおすための、裁判所を通じた再建手続きです。借金の一部免除や返済期間の延長などを盛り込んだ再生計画を作り、多数の債権者の同意を得て実行します。

今の経営者がそのまま経営を続けながら再建を目指せる点が特徴で、手続きが官報に載るため、外部に知られ信用に影響が出ることもあります。

また、裁判所に支払う費用や弁護士費用が高額になる場合もあり、通常は申立てから計画認可までの期間は6ヶ月ほどです。

担保権のある債権者はこの手続きに縛られず、担保を回収できるため、資産を守るには個別の交渉が必要になることもあるでしょう。

【再建型】会社更生

会社更生は、経営が深刻な危機にある株式会社が、裁判所の強力な管理のもとで再建を目指す法的手続きです。大企業向けの制度で、裁判所が選んだ更生管財人が経営を引き継ぎ、借金や資産の管理を行います。

民事再生と異なり、担保をもつ債権者も手続き中は権利を行使できず、再建計画の中で調整されます。株主の権利も大きく制限され、株式の価値がゼロになることもあるでしょう。

強力な再建方法ですが、手続きは複雑で時間がかかり、費用も高額です。

裁判所に納める予納金だけでも数千万円にのぼることがあり、中小企業には現実的ではありません。会社更生は、大企業の再建における最後の手段といえる制度です。

【清算型】破産手続

破産手続は、会社が借金を返せなくなり、事業の継続も困難な場合に行う、最終的な清算方法です。

裁判所に申し立てを行い、破産が認められると破産管財人が選ばれ、会社の全財産を売却して現金化します。次に、税金や従業員の給料といった優先債権から順に支払われ、残った資金が他の債権者に公平に分配される仕組みです。

すべての分配が終わると会社は完全に消滅し、借金も原則的に帳消しになります。この手続きは6ヶ月〜1年程度かかり、裁判所への予納金や弁護士費用が必要です。

会社を続けることはできませんが、債務の重荷から解放されるという意味で、事業再建が難しい場合には有効な選択肢といえます。

【清算型】特別清算

特別清算は、すでに解散した株式会社が借金を整理するために行う、比較的簡易な清算手続きです。

対象は株式会社に限られ、裁判所の監督のもとで、会社の元役員などが清算人となり、債権者と話し合いながら借金の整理を進めます。

手続きには、債権者の3分の2以上の同意が必要で、債権者の協力が前提となるのが特徴です。合意が得られれば、破産よりも早く、費用も抑えて会社を整理できます。

手続き期間は半年~1年が目安で、費用も数万円からと比較的低額です。親会社が子会社を整理する場合や、関係者が少なく信頼関係がある場合によく使われます。

ただし、債権者の同意が得られない場合は、裁判所の判断で破産手続に移ることもあるため、事前の調整が重要です。

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法人の債務整理の費用内訳

債務整理の手続きを選択する際、どのくらいの費用がかかるのかは重要な判断材料です。費用を事前に把握しておくことで、現実的にどの手続きが選択可能かを見極められます。

法人の債務整理にかかる費用の種類は、以下のとおりです。

費用の種類内容
裁判所費用・裁判所に手続きを申し立てる際に納める費用
・予納金、申し立て手数料、郵便切手代など
弁護士費用・手続きの代理を弁護士に依頼する場合にかかる費用
・相談料や着手金、報酬金や実費など
その他の専門家費用・公認会計士や税理士への報酬
・不動産鑑定費用が必要になる場合あり

上記の費用は、選択する手続きの種類や会社の負債総額、資産状況や事案の複雑さなどによって変動します。

以下ではさらに、再建型と清算型に分けて、費用の目安や内訳を解説します。

再建型

再建型の法人債務整理は、会社の存続と事業の立て直しを目指すため、清算手続きよりも費用が高くなることが一般的です。

事業を続けながら債務整理を行うため、再生計画の策定や多数の利害関係者との調整が必要となり、専門的な知識と手間がかかります。

裁判所が関与する民事再生や会社更生では、手続きにかかる予納金や弁護士費用は比較的高額です。たとえば、民事再生では予納金が200万円程度、会社更生では数千万円以上かかることもあります。

一方、裁判所を介さない私的整理では予納金は不要ですが、弁護士やコンサルタントへの依頼費用が必要です。公的枠組みを利用する場合は、場合によって法的整理と同じくらいの費用がかかることもあります。

ただし、中小企業の場合、「中小企業活性化協議会」のような国の支援スキームを活用することで費用を抑えて再生できる可能性もあるでしょう。

再建型の費用(予納金)の目安は、以下のとおりです。

債務整理の手続きの種類費用の目安備考
私的整理なし専門家費用が別途必要
民事再生200万円~負債額により増加
会社更生800万円~極めて高額傾向

清算型

会社の整理を行い法人格を消滅させる清算型の法人債務整理には、破産手続と特別清算があり、手続きにかかる費用は異なります。

破産手続では、主に裁判所に納める予納金が大きな費用です。予納金は主に破産管財人の報酬に使われ、負債総額に応じて決まります。たとえば、負債が5,000万円未満の場合、通常は70万円の予納金が必要です。

しかし、債権者が少ない場合や資産が単純な場合などでは少額管財が適用され、予納金は20万円程度に抑えられる場合があります。予納金に加え、数十万かかる弁護士費用も必要です。

一方、特別清算は解散済みの株式会社が利用する手続きで債権者の同意が必要ですが、破産手続よりも簡単で、予納金が数万円程度で済む場合があります。

ただし、特別清算は債権者の3分の2以上の同意が必要といった条件が必要です。

清算型の費用(予納金)の目安は、以下のとおりです。

債務整理の手続きの種類費用の目安備考
破産(少額管財)20万〜弁護士依頼が前提
破産(特定管財)70万〜負債額により増加
特別清算数万円〜破産より低額傾向

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法人の債務整理の方法と期間

債務整理を検討する際には、手続き完了までに要する期間を把握し、事業計画や資金繰りに反映させることが重要です。それぞれ手続きの期間目安は、以下のとおりです。

債務整理の種類手続きの期間目安
私的整理数ヶ月
民事再生半年~1年
会社更生1年以上
破産手続数ヶ月~1年
特別清算数ヶ月~数年

以下で、各手続きの方法について詳しく解説します。

私的整理(数ヶ月)

私的整理は、裁判所を介さず、会社と債権者(主に金融機関)が直接話し合って債務整理を進める手続きで、手順は以下のとおりです。

  1. 弁護士や専門家へ相談・依頼する
  2. 財務状況を把握し、債務の整理対象を選定する
  3. 債権者(主に金融機関)と交渉を開始する
  4. 弁護士から「受任通知」を送付し、取り立てを停止させる
  5. 元本減額・利息カット・返済猶予など返済条件を調整する
  6. 債権者の同意を得る
  7. 和解契約のような合意内容を文書化する
  8. 再建計画に沿って返済を継続する

私的整理の最大の特徴は、法的手続きに比べて比較的早く解決できる点です。債権者との合意形成がスムーズに進めば、数ヶ月以内に整理を終えることが可能です。

たとえば、債権者が少なく協力的な場合、交渉開始から3ヶ月程度で解決することもあります。しかし、実際には債権者間で意見が分かれたり、再生計画が複雑だったりすると、合意に時間がかかる点に注意が必要です。

民事再生(半年~1年)

民事再生は、裁判所の監督のもとで事業を続けながら会社の再建を目指す法的な手続きです。具体的な手順は、以下のとおりです。

  1. 弁護士に依頼し、申立て準備(書類や財務状況など)を行う
  2. 裁判所へ民事再生手続きを申立てする
  3. 保全処分や監督委員の選任を受ける(必要な場合)
  4. 債権者へ通知し、債権届出を受けつける
  5. 再生計画案を作成する
  6. 債権者集会での決議を得る(過半数の同意を得る)
  7. 裁判所から再生計画の認可を受ける
  8. 再生計画にもとづいて返済を開始し、事業を継続する

民事再生の手続きには時間がかかるため、私的整理のように短期間で終わることはありません。

東京地方裁判所では約6ヶ月が目安とされていますが、状況によっては1年以上かかる場合もあります。

会社更生(1年以上)

会社更生は、大規模な株式会社の再建を目的とした強力な法的手続きで、非常に長い期間を要します。手順は、以下のとおりです。

  1. 弁護士を通じて会社更生手続きを申立てする
  2. 裁判所が手続き開始を決定し、更生管財人を選任する
  3. 債権者へ通知し、債権届出を受けつける
  4. 更生管財人が資産を調査し、事業継続の可否を判断する
  5. 更生計画案を作成する
  6. 債権者集会で同意を取得する
  7. 裁判所から更生計画の認可を受ける
  8. 計画に基づき債務を弁済し、事業再建を実行する

申立てから更生計画が認可されるまで、通常1年以上かかり、長いと2~3年かかります。

手続きが複雑であるため、最終的に終わるまでに10年以上かかることもあります。

破産手続(数ヶ月~1年)

法人の破産手続は、会社を清算するための法的手続きで、通常数ヶ月から1年程度の期間がかかります。詳しい手順は、以下のとおりです。

  1. 弁護士へ相談し、破産申立ての準備をする
  2. 裁判所に破産申立てを行う(申立代理人弁護士が行う)
  3. 裁判所が破産開始決定を出す
  4. 破産管財人が選任され、財産の調査・管理を行う
  5. 債権者へ通知し、債権届出を受けつける
  6. 財産を換価(売却)し、債権者へ配当する
  7. 手続き終了後、法人を法的に消滅させる

期間の長さは、会社の財産の種類や状況に大きく影響されます。法的な争いがある場合は、手続きが長期化して1年以上かかることもあります。

一方で、財産が少なく換価や配当が簡単にできる場合は、手続きが短期間で終了することもあるでしょう。

特別清算(数ヶ月~数年)

特別清算は、すでに解散している株式会社が利用できる法人の債務整理方法です。手続きは、以下の流れで行います。

  1. 株主総会で会社の解散を決議する
  2. 清算人(通常は元代表者)を選任する
  3. 債務超過が判明し、特別清算の申立てを行う
  4. 裁判所が開始決定を出し、債権者へ通知する
  5. 債権者が債権を届け出る
  6. 清算人が債務の整理・資産売却を行う
  7. 和解・協定に基づき弁済を実行する(同意多数が必要)
  8. 清算が完了すれば会社を消滅させる

手続きにかかる期間は、数ヶ月から数年と幅があり、主に債権者の協力(同意)によって決まります。

債権者からの同意を得るために、債権額の3分の2以上の同意を得る必要があり、この合意形成が順調に進むかどうかで期間が大きく変わります。

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法人の債務整理のメリットとデメリット

法人の債務整理には、それぞれ以下のようにメリットとデメリットがあります。

自社の状況や目的、優先順位に合わせて、各手続きの特性を比較検討することが、最適な選択をするうえで不可欠です。

各手続きの詳しいメリットとデメリットを確認しましょう。

私的整理|手続きの柔軟性と交渉リスク

私的整理のメリットは手続きの柔軟性です。裁判所を介さないため会社の状況に合わせたオーダーメイドの解決策を作りやすく、返済期間の延長や利息のカット、元本免除など、交渉次第で多様な合意が可能です。

また、手続きが非公開で進められるため、取引先や顧客に知られることなく、事業価値や社会的信用を守れるでしょう。さらに、法的整理よりも手続きが迅速に進む可能性があり、費用も比較的低く抑えられます。

一方、デメリットは交渉リスクです。私的整理は法的拘束力がなく、すべての債権者の同意が必要です。

1社でも反対があれば計画が頓挫する可能性があり、とくに金融機関側の負担が大きい元本カットなどの合意は得にくいことがあります。また、債権者間の利害対立が生じやすく、公平な合意を得るのが難しい場合もあります。

民事再生|営業継続の可能性と再建の難易度

民事再生のメリットは営業の継続が可能な点です。事業活動を続けながら再建でき、従業員の雇用や取引先との関係も守りやすくなります。

また、現経営陣が再建計画を主導できるため、会社の状況をもっともよく理解している経営者が再生を進められます。さらに、再生計画が認可されれば、大幅な債務削減が可能となり、財務状況の改善が期待できるでしょう。

一方、デメリットとしては再建の難易度が高いことが挙げられます。再生計画案を作成し、債権者集会で過半数以上の賛成を得る必要があります。計画実行後も、長期間にわたる弁済が求められ、その間に業績回復が不可欠です。

また、法的手続きであるため信用情報が悪化し、新規融資が難しくなります。加えて、裁判所への予納金や弁護士費用が高額で、担保権の実行を止められない点もデメリットです。

会社更生|債務大幅削減と高いコスト

会社更生のメリットは債務の大幅な削減が可能で、とくに担保権付きの債務や複雑な権利関係を整理できる点です。

手続き開始後、担保権者の権利行使が停止されるため、事業継続に必要な資産を保護しながら再建を進められます。

さらに、更生計画では株主の権利を変更することも可能で、もっとも合理的な再建案を策定できる点が強力なメリットです。

一方、デメリットとしては手続きにかかる高額なコストが挙げられます。予納金や専門家費用が数千万円から数億円に達することがあり、費用負担は非常に大きいです。

また、手続き期間は通常1年以上、場合によっては2~3年を要し、計画実行を含めるとさらに長期化します。

さらに、現経営陣は経営権を失い、更生管財人が経営を主導するため、経営陣のコントロールが効かない点もデメリットです。

破産手続|債務免除と信用失墜のリスク

法人破産手続のメリットは会社の借金がほとんど免除される点です。これにより、経営者は多額の負債から解放され、精神的な負担も軽減されます。

会社の法人格が消滅するため、債務問題を法的に整理し、再出発できる可能性があるため、経営者にとっては重要な手段です。

一方で、破産手続の最大のリスクは会社の消滅です。事業活動は完全に停止し、これまで築き上げたブランドやノウハウ、従業員の雇用も失われます。

また、破産の事実は、金融機関や取引先からの信用を大きく損なうかもしれません。

経営者自身の信用情報にも悪影響がおよび、新たな融資が難しくなる可能性があります。さらに、経営者が個人保証をしていた場合、会社の破産だけでは負担が解消されず、自己破産が必要になる恐れもあるでしょう。

特別清算|手続きの簡便さと対象制限

特別清算のメリットは破産手続に比べて手続きが簡便で、費用も低く抑えられる点です。

破産管財人の選任や厳格な財産調査が不要で、会社の清算人が債権者との協定や和解を進めるため、予納金も数万円程度と低額で済みます。

また、破産という言葉を使わないため、会社のイメージダウンをある程度抑える効果も期待できます。

しかし、利用できるのが解散済みの株式会社に限られる点はデメリットです。

さらに、債権者の協力が不可欠で、清算に関する協定案に対して債権者集会で3分の2以上の同意が必要です。同意が得られない場合、特別清算は進められず、破産手続に移行することになります。

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法人の債務整理に関するよくある質問

法人の債務整理に関して、経営者やご担当者の方からよく寄せられる以下の質問と回答を紹介します。

多くの方が疑問に思う点について、事前に理解を深めておくことで、いざというときに冷静に対応しやすくなります。それぞれ詳しい回答を見ていきましょう。

Q. 法人の債務整理をすると代表者の個人資産はどうなりますか?

A. 法人が債務整理を行なった場合、代表者個人の資産に影響が出るかどうかは、代表者が会社の債務に対して個人保証をしているかによります。

基本的に、法人と代表者は別の存在とされ、会社の借金を代表者個人が返済する義務はありません。

しかし、多くの中小企業では、金融機関からの融資時に代表者が個人保証をしていることが多いです。もし個人保証がある場合、会社が借金を返済できないと、債権者は代表者個人に返済を求めることが可能です。

そのため、場合によっては、自宅や預貯金など代表者の個人資産が差し押さえられる可能性があります。ただし、「経営者保証に関するガイドライン」を活用することで、生活に必要な費用や自宅を手元に残せる場合もあります。

※経営者保証に関するガイドラインとは、中小企業の経営者が個人保証なしで資金調達できるよう、金融機関と企業の信頼関係構築を促すルールのこと

Q. 債務整理中でも事業を続けることは可能ですか?

A. 会社の債務整理を検討する際、事業を続けられるかどうかは手続きの種類で決まります。民事再生や会社更生など再建型の手続きでは、原則として事業を続けることは可能です。

民事再生では経営陣が引き続き経営し、会社更生では裁判所選任の管財人が経営を行います。

一方、破産や特別清算など清算型の手続きでは、事業活動が停止し、最終的に会社は消滅します。そのため、事業を続けることが最優先の場合は、再建型の手続きを選ぶことが必要です。

しかし、資金繰りや取引先の信用不安などの問題も考慮する必要があるため、専門家と慎重に相談し、最適な手続きを選択することが重要です。

Q. 債務整理したことは取引先に知られてしまいますか?

A. 法人が債務整理を行う際、取引先にその事実が知られるかどうかは手続きの種類によって異なります。

民事再生や会社更生、破産などの法的整理の場合は、手続き開始が官報に公告され信用情報機関に登録されるため、取引先に知られる可能性が高くなります。

一方、私的整理は裁判所を介さず債権者と交渉する手続きであり、法律上の公告義務がないため、基本的には取引先に知られずに済むでしょう。

ただし、資金繰りの変化が間接的に伝わることもあるため、完全に秘密にすることは難しいでしょう。取引先への影響を最小限にしたい場合は私的整理が有力ですが、難しい場合は事前に説明し、理解と協力を得ることが重要です。

Q. 法人破産をすると、代表者も自己破産しなければなりませんか?

A. 法人破産と代表者の自己破産は別々の手続きですが、代表者が会社の債務を個人で保証している場合は、法人の破産に伴って代表者自身も自己破産を選ばざるを得なくなる可能性があります。

法人破産では、会社の借金は会社の責任となりますが、代表者が個人保証をしていると会社が返済できない場合、保証人である代表者個人に返済義務が生じます。

ただし、代表者が個人保証をしていなければ、自己破産する必要はありません。また、経営者保証に関するガイドラインを活用することで、自己破産以外の方法で債務整理ができる場合もあります。

Q. 債務整理はどこに相談すればいいですか?

A. 法人の債務整理を検討する際、もっとも信頼できる相談先は、企業の倒産や債務整理に詳しい経験豊富な弁護士です。なぜなら、法人の債務整理には複数の法律が絡み、法的知識と専門スキルが必要だからです。

弁護士は、債務整理の手続き全般を担当し、ケースごとに最適な方法を提案してサポートしてくれます。弁護士なら、債権者からの取り立てを停止する「受任通知」を送付することも可能です。

司法書士や税理士は、債務整理のサポートをしてくれますが、法的手続きを代理できません。債務整理が必要なほどではなくても経営に不安があれば、早めに弁護士に相談し、いざというときに慌てないようにしておきましょう。

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まとめ

法人が債務超過に陥った場合、債務整理という選択肢があり、事業を立てなおす再建型と、会社をたたむ清算型の2つの方向性があります。それぞれメリットとデメリットがあり、かかる費用や時間も大きく異なります。

どちらの方法を選ぶかは、会社の財務状況や再建の見込み、経営者の意向などのさまざまな要素を考慮して判断することが重要です。また、経営者個人の資産や保証への影響も無視できません。

どの手続きを選ぶかは、会社の今後を大きく左右する重要な決断です。債務整理の手続きは複雑なため、ひとりで悩まず、できるだけ早く弁護士をはじめ専門家に相談することが大切です。

専門家の力を借りることで、最適な方法を見つけ、事業再生やスムーズな清算、経営者の再スタートへとつなげられるでしょう。

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京都大学経済学部卒業、同大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。

千代田中央法律事務所を開設し、スタートアップの資本政策・資金調達支援、M&Aによるエグジット・成長戦略の専門職支援と法人破産手続き、事業再生手続きによる再生案件を取り扱う。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動経験あり。