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破産管財人は弁護士が担当する!選任方法や業務内容、注意点を解説 | 千代田中央法律事務所

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破産手続きでは、破産管財人と呼ばれる弁護士がつく場合があります。破産管財人は破産手続きを依頼した弁護士とは異なる人です。

「どういったことをしてくれるのか」「厳しいことを言われないか」と不安を感じている人もいるでしょう。

この記事では、破産管財人の弁護士の役割や選任方法、選任後に破産者が気をつけたいポイントなどを解説します。破産管財人とのやりとりをスムーズに進め、破産手続きを終結させたい人は参考にしてください。

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破産管財人に選ばれた弁護士の役割

手を組み相談を聞く男性弁護士

破産管財人に選ばれた弁護士には、以下の役割が与えられます。

上記の役割を果たしながら、破産者と債権者が公平になるよう、破産手続きを進めていきます。破産手続きを依頼した申立代理人との違いも、あわせて見ていきましょう。

中立的立場で破産手続きを進める

破産管財人は裁判所から選任される中立的な立場の弁護士です。破産法にもとづき、破産者だけでなく債権者の立場も考慮しながら、手続きを進めていきます。

たとえば、破産管財人が破産者の財産状況を調査する際は、あくまで事実にもとづいて客観的に評価します。破産者や特定の債権者を優遇するような対応はしません。

破産管財人が中立性を重んじるのは、債権者への公平な配当と破産者の経済再起を実現するためです。

破産財産の管理と換価処分を行う

破産管財人の主な役割は、破産者の財産を調査・管理し、換価して債権者に公平に分配することです。

破産法では、破産手続き開始決定と同時に、破産者の財産の管理処分権が破産管財人に移ります。そのため、預貯金や不動産、自動車などはすべて破産管財人の管理下に置かれるのです。

破産管財人は、財産調査が終わったのちに、財産を換価していきます。不動産や自動車は、任意売却や競売などで換価されます。法人や個人事業主で売掛金が未入金の場合は、破産管財人により回収されます。

換価した財産は、債権者に配当として配られる仕組みです。

ただし、99万円以下の現金など生活に必要な財産は、自由財産として手元に残せます。

裁判所への進捗報告や意見陳述をする

破産管財人は、破産手続きの進行状況や財産調査・処分の結果を裁判所や債権者に定期的に報告します。

破産管財人は、財産状況報告集会での債権者への説明、破産者の収入や支出に関する報告書の提出、財産の換価・配当状況の報告などを行います。

この各種手続きは、公正な破産手続きができるよう、すべての利害関係者への説明責任を果たすために法律で定められています。

また、個人破産の免責に関する意見陳述も破産管財人の役割のひとつです。

浪費や財産隠しなどの免責不許可事由があるか、事情を考慮して免責を認める裁量免責に相当するかを裁判所が決定するには、破産管財人の意見陳述がポイントになります。

免責を認めてもらうのであれば、破産管財人の依頼や質問には誠実に対応するとよいでしょう。

申立代理人弁護士との違い

破産管財人と申立代理人弁護士は、破産手続きでは異なる立場と役割を担っています。両者の違いを理解して、自己破産手続きをスムーズに進めましょう。

項目申立代理人弁護士破産管財人
立場破産者(債務者)の代理人中立的な手続管理者
選任・依頼自身が依頼・選択裁判所が選任
忠誠の対象自身の利益を最優先手続きの公正さと債権者全体の利益
主な業務破産申立書の作成、債権者交渉、法律相談財産調査・管理・換価、配当
費用支払い破産者が直接支払う裁判所に納める予納金から支払われる

法律相談や破産手続きでの疑問解消、各種依頼は、申立代理人の弁護士に行います。破産管財人はあくまで手続きを公正に終結させる役割のため、質問や要請があった際は、申立代理人と相談したうえで、丁寧に対応するとよいです。

どちらにも協力的な対応を取るのが、手続きをスムーズに進める重要なポイントといえるでしょう。

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破産管財人の選任方法

東京高等裁判所

破産管財人は、裁判所が選任します。破産手続きの公正かつ効率的な進行を確保するため、裁判所は破産法の専門知識と経験を持つ人物を選びます。

選任されるのはほとんどが弁護士です。弁護士は法的専門知識や財産評価能力、利害調整能力を備えており、複雑な破産手続きを適切に管理できるためです。

また、職業倫理にもとづく公平性や守秘義務があり、破産者と債権者の間の中立的な立場を維持できる点も理由のひとつといえます。

選任プロセスでは、各地域の弁護士会が作成する「破産管財人候補者名簿」から適任者が選ばれることが一般的です。破産管財人について疑問がある場合は、申立代理人に相談するとよいでしょう。

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破産管財人として弁護士が行う業務

弁護士

破産管財人の弁護士が行う業務は、以下の5つです。

  1. 破産申立人の財産を管理し換価処分をする
  2. 各種契約手続きを解消する
  3. 破産原因や免責不許可事由を調査する
  4. 債権者集会で現状を報告する
  5. 債権者への配当をする

破産管財人がどのようなことをするのかおさえて、破産手続きをスムーズに進めるようにしましょう。

1. 破産申立人の財産を管理し換価処分をする

破産管財人の重要な業務のひとつが、破産者のすべての財産を調査・管理し、換価して債権者への配当原資を確保することです。

破産管財人は、破産者の財産を徹底的に調査します。調査される内容は、以下のとおりです。

  • 預貯金口座
  • 不動産登記簿
  • 自動車や美術品・宝飾品などの動産
  • 生命保険の解約返戻金
  • 売掛金
  • 郵便物

上記の財産は、すべて換価の対象です。売却などにより現金化されていきます。

財産を隠したり虚偽の説明をしたりすると、借金免除が受けられない場合があるため、調査では誠実に対応してください。

2. 各種契約手続きを解消する

破産管財人は、破産者の各種契約を調査し、必要に応じて解消します。解消の対象となる主な契約は、以下のとおりです。

  • 住居や事業所の賃貸借契約
  • 自動車や機械設備のリース契約
  • 従業員との雇用契約
  • インターネット、各種サブスクリプションサービスなどの継続的契約
  • 解約返戻金がある生命保険

住居については、自身が家賃を継続して支払う場合は解除されないことが多いですが、事業用の賃貸物件は通常解除されます。また、保険については返戻金が財産となるため、破産管財人に回収されるケースが一般的です。

破産手続き開始後も継続したい契約がある場合は、早めに申立代理人弁護士や破産管財人に相談しましょう。

3. 破産原因や免責不許可事由を調査する

破産管財人は、破産に至った原因や経緯、免責不許可事由(借金の免除を認めない理由)の有無を調査します。

破産管財人は、破産原因や破産者が免責に値する誠実な債務者かどうかを調査し、裁判所に報告します。調査結果は、裁判所の免責判断に関与するため、破産者の今後の生活に影響を与える重要なものです。

主な免責不許可事由は以下のとおりです。

  • 浪費やギャンブルによる著しい財産減少
  • 財産隠しや不当な財産処分
  • 特定の債権者への優先的な返済(偏頗弁済)
  • 詐欺的借入れ
  • 裁判所や破産管財人に対する虚偽説明や調査非協力

このほか、過去7年以内に免責を受けたことがある場合も免責が認められない可能性があります。

免責許可を得るには破産管財人の調査に誠実に協力するのが大切です。破産経緯や財産の状況などは正直に説明しましょう。

破産管財人への説明で不安に感じることがある場合は、申立代理人に相談のうえ、進めるとよいです。

4. 債権者集会で現状を報告する

破産管財人は、債権者集会において、破産者の財産状況や破産経緯、財産の換価・管理状況などを報告し、債権者からの質問に答えていきます。

債権者集会は、破産手続きの透明性と公正性を確保するための重要な場です。破産法では、破産管財人に対して債権者集会での報告義務を課しており、これにより債権者は破産手続きの進行状況や財産の換価状況を把握できます。

債権者集会は裁判所が招集し、破産管財人だけでなく破産者自身も出席しなければなりません。

集会で破産管財人が報告する主な内容は、以下のとおりです。

  • 破産者の属性
  • 事業内容
  • 破産に至った経緯
  • 財産状況(資産と負債の全体像)
  • 破産者の財産の内容と評価額
  • 財産の換価状況と今後の見通し
  • 債権調査の結果
  • 免責不許可事由の調査結果

債権者集会には必ず出席し、破産管財人や裁判所からの質問には誠実に答えるようにしてください。集会前には、申立代理人に想定される質問や回答について相談しておくとよいでしょう。

5. 債権者への配当をする

破産管財人は、換価した財産を法律で定められた優先順位に従って債権者に公平に配当します。

配当の優先順位は、以下のとおりです。

配当の優先順位該当する債権
財団債権破産手続きの費用(破産管財人の報酬など)、租税債権の一部など
優先的破産債権労働債権(給料や退職金)の一部、税金など
一般の破産債権通常の借入金、クレジットカード債務など

配当手続きは、配当表を作成し、裁判所による許可を得てから実施します。財産の規模が大きい場合は配当率も高くなりますが、債権者へ渡る配当が一切ない場合もあります。

配当が完了すれば、破産手続きは終了です。財産調査に積極的に協力し、手続きを早期に終結させましょう。

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破産管財人が選任された際の注意点

新緑の中にいる若いスーツ姿のビジネスマン

破産管財人が選任された際、破産者は以下の3点に注意しましょう。

  1. 破産管財人の調査や質問に応じる必要がある
  2. 郵便物の内容を破産管財人に知られる
  3. 引越しや旅行の際は裁判所の許可がいる

破産管財人が選任されると、一部の行動が制限されます。指示や依頼に背くことなく、適切に対応してください。

1. 破産管財人の調査や質問に応じる必要がある

破産管財人が選任されると、破産手続きに関するさまざまな事項について説明義務・報告義務が生じます。破産法第40条では、破産者に対して破産管財人等の請求に応じて必要な説明をする義務を課しています。

破産管財人との面談では、以下のようなことについて質問されるため、嘘偽りなく適切に答える必要があります。

  • 破産申立書の内容確認
  • 破産に至った経緯や原因
  • 資産や負債の詳細
  • 現在の収入と支出
  • 免責不許可事由に関する事項
  • 近親者や関係者への財産移転や贈与の有無
  • 特定の債権者への優先弁済の有無

事前に申立代理人の弁護士と打ち合わせを行い、想定される質問に対する回答を準備しておくとスムーズに進められるでしょう。

2. 郵便物の内容を破産管財人に知られる

破産管財人の選任後は、郵便物の内容を破産管財人に知られます。財産の調査を適切に行い、債権者を保護するためです。

破産法第81条および第82条にもとづき、裁判所は郵便事業者等に対し、破産者宛ての郵便物等を破産管財人へ配達するよう嘱託できます。さらに、破産管財人は受け取った郵便物を開封し、内容を確認する権限を有しています。

転送・確認の対象となる主な郵便物は、以下のとおりです。

  • 銀行や証券会社からの取引明細書
  • 株式の配当金通知
  • 保険会社からの通知
  • 申告されていない債権者からの請求書や督促状

これらを確認することで、申告漏れの財産や債権者を発見し、破産者の財産額を適切に確認し、債権者への公平な配当を実現します。

なお、宅配便業者が配送する荷物は原則として転送されません。また、同居する家族宛の郵便物も転送対象外です。

破産管財人には守秘義務があり、郵便物の内容を関係のない第三者に漏らすことはありません。また、破産手続き終了後は郵便物の転送も終了し、通常通り自宅に配達されるため、過度に不安を感じる必要はないでしょう。

3. 引越しや旅行の際は裁判所の許可がいる

破産手続中は、引越しや長期間の旅行をする際、事前に裁判所や破産管財人の許可を得る必要があります。破産者は裁判所や破産管財人からの問い合わせや調査依頼にいつでも対応できる状況をつくらなければならないためです。

破産手続中は、破産管財人が財産調査や換価処分、免責調査などを進める過程で、追加の質問や書類提出を求める場合があります。そのため、すぐに連絡が取れる状態を維持する必要があるのです。

以下のようなケースでは、裁判所の許可が必要です。

  • 現在の住所から別の住所への引越す場合
  • 出張や旅行で2泊3日以上自宅を離れる場合
  • 国内・海外を問わず比較的長期間の旅行をする場合

ただし、緊急時や仕事上の必要性など、正当な理由がある場合には、申請すれば許可が得られることが多いです。

許可申請の方法は裁判所によって異なりますが、一般的には「転居届」や「旅行許可申請書」といった所定の書類の提出が必要です。

申請書には、転居先の住所や旅行の日程・目的・連絡先などを記載し、破産管財人の意見を付したうえで裁判所に提出します。

無断で引越しや旅行をすると、免責不許可事由に該当する可能性があります。引越しや旅行の予定がある場合は、できるだけ早めに申立代理人弁護士に相談し、必要な手続きを進めましょう。

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破産管財人の弁護士に支払う費用

手を横に出すビジネスマンとお金

破産管財人の弁護士に支払う費用は、破産者が支出します。破産管財人に直接支払うわけではなく、破産手続き時に裁判所へ納めた予納金から支出する形です。

裁判所を通じて支払われる制度になっているのは、破産管財人の中立性を確保し、また破産財団の適正な管理を図るためです。

予納金の額は事案の複雑性、管財手続きの種類、裁判所の運用によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。

管財事件の種類予納金の目安
少額管財事件(比較的簡易な個人の破産)約20万円
通常管財事件(個人)約50万円~80万円
通常管財事件(法人)約70万円~数百万円

簡易的な個人破産でも20万円程度かかり、通常の処理の場合は50万〜80万円、法人だと100万円以上かかる場合もあります。

破産手続きに入る際に、申立代理人の弁護士に予納金の金額をあらかじめ見積もってもらうとよいでしょう。

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破産管財人と弁護士に関連するよくある質問

Q&A 質問 答え 1

破産管財人に関連した質問や疑問をまとめました。破産手続き時の参考にしてください。

Q. 破産管財人に弁護士以外が選任される場合はありますか?

A. 破産管財人に弁護士以外が選任されるケースは、法律上可能ですが稀少な例です。破産管財人の職務が高度な法的専門知識と複雑な破産手続きの知識を要するためです。

破産管財人を務めるには、破産法だけでなく民法、会社法、民事執行法、民事訴訟法、租税法など、広範な法分野の知識が求められます。

基本的には弁護士が担当する可能性がほとんどとおさえておくとよいでしょう。なお、破産者が破産管財人を選んだり指定したりすることはできません。

Q. 破産管財人の報酬はいくらですか?

A. 破産管財人へ支払う報酬は、事案の複雑さ、管理・換価する財産の種類と額、破産手続きにかかる期間などによって異なります。

一般的な個人の破産事件では約15万円~40万円程度、法人や複雑な事案では数十万円~数百万円に及ぶ場合もあるでしょう。

報酬は、破産手続きの開始時に裁判所に納める予納金から支払われます。予納金の金額目安は、以下のとおりです。

管財事件の種類予納金の目安
少額管財事件(比較的簡易な個人の破産)約20万円
通常管財事件(個人)約50万円~80万円
通常管財事件(法人)約70万円~数百万円

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まとめ

弁護士

破産管財人の弁護士は、破産手続きを依頼した申立代理人の弁護士とは立場・役割が異なります。不誠実な対応をすれば、免責が受けられない場合もあるでしょう。

破産管財人の質問や依頼には、申立代理人と相談しながら、嘘偽りなく誠実に対応するのが重要です。適切に対応して破産手続きを終結させ、再起に向けた準備をしましょう。

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京都大学経済学部卒業、同大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。

千代田中央法律事務所を開設し、スタートアップの資本政策・資金調達支援、M&Aによるエグジット・成長戦略の専門職支援と法人破産手続き、事業再生手続きによる再生案件を取り扱う。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動経験あり。