督促や差押えに追われながら「自己破産に踏み切りたいけど、どれくらいの期間で終わるのか」不安を感じていませんか?
手続き中の職業制限や信用回復の期間、家族や職場にバレるリスクなど、見通しが立たないことも不安要因としてあるでしょう。
本記事では、自己破産の期間についてわかりやすく解説します。最短での完了方法や手続き中の制限事項、信用情報機関での登録期間など、実務に基づいた具体的な情報をお届けします。
弁護士への相談タイミングや必要書類、期間短縮のコツなども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
自己破産の期間は最短で約4ヶ月かかる

自己破産の手続き期間は、弁護士に依頼してから最短だと約4ヶ月で完了します。ただし、借金の理由に大きな問題がない場合に適用される、同時廃止というシンプルな手続きのケースです。
個人事業主の方や、一定以上の財産がある場合、あるいは浪費やギャンブルが原因で調査が必要と判断されると管財事件という手続きになります。
この場合、裁判所が選任した破産管財人による財産調査や換価・配当がおこなわれるため、手続き期間は長くなり、申立てから完了まで半年から1年以上かかることも珍しくありません。
自己破産の期間は、個人の状況によって変動するため、ご自身のケースがどの手続きに該当するかを事前に把握することが、生活再建の見通しを立てるうえで重要です。
【種類別】自己破産にかかる期間の目安

ここでは、自己破産の手続きがどの種類に振り分けられるかによって、期間が大きく異なる点を解説します。
同時廃止事件と管財事件、それぞれの手続きにかかる目安を紹介します。ご自身の状況がどちらに近いかを知ることで、より現実的なスケジュールを立てられるでしょう。
同時廃止事件の場合は約4~8ヶ月
同時廃止事件は自己破産でもっとも迅速な手続きが可能で、弁護士への相談から免責が確定するまでの総期間は約4〜8ヶ月が目安です。
申立て準備に要する約1〜4ヶ月と、裁判所での手続きにかかる約3〜4ヶ月を合わせたものです。期間を短縮できる理由は、破産管財人が選任されない点にあります。
財産の調査や換価といった時間のかかる工程がないため、申立て後は裁判所での審査が中心となり、手続きがシンプルに進みます。
たとえば、弁護士に依頼して督促が止まった後、2ヶ月ほどで書類準備を終えて申立て、その約3ヶ月後には免責許可決定が下りるという流れです。自身の資産が少なく、借金の原因が生活費の補填などであれば、同時廃止事件で解決できる可能性が高いでしょう。
管財事件の場合は約6ヶ月〜1年以上
持ち家や自動車といった一定の財産がある方や個人事業主の方、あるいは借金の原因に浪費などが含まれる場合は管財事件となり、自己破産の手続き期間は約6ヶ月から1年以上が目安となります。
手続きが長期化する理由は、裁判所によって選任された破産管財人が、財産の調査・管理・換価をおこない、債権者に公平に配当する役割を担うためです。さらに一連の業務と、債権者への報告をおこなう債権者集会の開催に時間が必要です。
たとえば弁護士に依頼後、書類収集と並行して裁判費用を準備し申立て、破産管財人との面談や財産調査、資産の売却などが数ヶ月かけておこなわれます。この期間中は、本人宛の郵便物が管財人へ転送されるといった制約も生じます。
期間は長くなりますが、借金問題を法的に正しく清算し、免責を得るための重要なプロセスであり、専門家と協力して誠実に対応することが求められるでしょう。
自己破産の流れと手続きごとの期間の目安

自己破産の手続きは、以下の順でおこなわれます。
各ステップの内容や、必要な期間について具体的に解説します。
1. 専門家に相談し申立ての準備をする
自己破産を検討する際は、まず弁護士をはじめとした専門家に依頼し、申立ての準備をします。
相談から裁判所への申立て準備には、約1〜3ヶ月かかるのが一般的です。この段階はご自身の行動次第で、手続き全体を短縮できる場合があります。
専門家に依頼すると、まず受任通知が債権者に送付され、最短即日で督促が止まります。督促が止まり精神的な平穏を取り戻したうえで、過去2年分の通帳の写しや給与明細、保険関係の書類など、指示された必要書類を揃えていきます。
また、弁護士費用を分割で支払う場合、支払いが完了するまで申立てを待つケースもあるため、期間を短縮したい場合はできるだけ一括で支払うのがおすすめです。
自己破産を弁護士に依頼する際の基礎知識は、以下の記事で詳しく解説しています。
自己破産を弁護士に依頼する際の基礎知識│費用や選び方、家族にバレない方法を紹介
2. 申立てをして破産手続きの開始が決定される
申立てが完了したら、破産手続きの開始が決定されます。裁判所へ自己破産を申立ててから、破産手続開始決定が出るまでの期間は、約1〜2ヶ月が目安です。
この期間に、裁判所は提出された書類を精査し、自己破産の手続きを開始すべきか判断します。場合によっては裁判官と直接面談する、審尋という手続きもおこなわれ、手続きが迅速に進む同時廃止か、調査が必要な管財事件かの振り分けも決定されます。
ただし、一部の裁判所では即日面接という迅速化制度があり、弁護士が申立てたその日のうちに裁判官と面談することで、開始決定までの期間を数日にまで短縮できる場合もあります。
期間の短縮は裁判所の運用に左右されますが、書類の不備なく申立てをおこなうことが、スムーズな審査につながるポイントです。
3. 免責許可の決定が確定する
破産手続開始決定が出た後、最終的には借金の支払義務がなくなる免責許可の決定が確定します。
手続きの種類で期間が異なり、同時廃止の場合は約3ヶ月、管財事件の場合は約3ヶ月から1年程度が目安です。
同時廃止では、債権者の意見を聞く期間などを経てすみやかに免責の審査に進みます。一方、管財事件では、破産管財人による財産調査や換価、債権者集会といった手続きに時間が必要です。
裁判所が免責許可決定を出すと、その事実は官報に掲載され、約1ヶ月後に法的に確定します。この確定をもってすべての手続きが完了し、資格制限が解除される「復権」が自動的におこなわれます。
自己破産の期間を短くするためのポイント

自己破産の期間を短くするためのポイントは、以下の4つです。
ちょっとした工夫で手続きを短縮できるため、今回ご紹介するコツをぜひ実践してみてください。
1. 早期に弁護士に相談する
自己破産の期間を短縮するうえで、弁護士への早期相談は重要なポイントです。弁護士が受任通知を債権者に発送すると、貸金業法により取り立てが即座に停止されます。
取り立てが止まることで精神的な余裕が生まれ、書類収集に集中できる環境が整います。東京地裁では即日面接制度があり、弁護士代理なら申立て当日に裁判官との面接が可能です。
早期に相談すれば弁護士の専門知識により、書類不備や手続きミスによる遅延を防げることもメリットです。督促や差押えリスクに追われている状況では、費用や手続きの詳細を検討する前に、まず相談を優先することが結果的に効率的な自己破産につながります。
2. 必要書類を早めに揃える
自己破産の申立て準備期間で、多くの時間を要するのが必要書類の収集です。裁判所提出書類は膨大で、とくに過去2年分の通帳コピーや保険の解約返戻金見込証明書などは取得に数週間を要する場合があります。
保険会社への証明書依頼は郵送で2〜3週間、ネット銀行の取引明細は表示期間の延長申請が必要なケースもあります。一方で、車検証や直近の給与明細などは即座に取得可能です。
効率的な書類集めのコツは、1週目で時間のかかる書類の依頼を完了させ、2週目で残りの収集と最終チェックをおこなうことです。
書類不備は裁判所からの補正指示により、1〜2週間の遅延につながるため、弁護士から受け取った書類リストをもとに優先順位をつけて、漏れなく準備することが期間短縮の鍵となります。
自己破産の必要書類については、以下の記事で詳しく紹介しています。
3. 法テラスへの依頼を避ける
法テラスの民事法律扶助制度は、費用面でメリットがある一方、期間短縮を図りたい方にとってはデメリットかもしれません。
法テラスの利用には収入や資産の資力審査があり、審査期間中は受任通知が発送されないため取り立てが継続します。審査には通常1〜2週間を要し、その間も債権者からの連絡が続く可能性があるでしょう。
また、弁護士の選択権がないため、自己破産に精通した専門家を選べないといった制約があります。さらに少額管財事件の予納金20万円(東京地裁の場合)は立替対象外のため、別途自己負担での準備が必要です。
時間的余裕があり費用を抑えたい場合は法テラスの利用がおすすめですが、すみやかに督促を停止し、手続きの短縮を目指す場合は、民間の法律事務所への直接依頼したほうがよいでしょう。
4. 弁護士費用は一括で支払う
弁護士費用の支払い方法は、自己破産の手続き期間に直接的な影響を与えるため、可能な限り一括で支払いましょう。
多くの法律事務所では弁護士費用の完済を申立ての条件としており、分割払いを選択すると支払い完了まで申立てが延期される可能性があります。たとえば、月5万円×6回の分割払いの場合、6ヶ月間は申立てができず期間が半年延長される計算です。
弁護士費用の相場は、自己破産手続きの種類や、依頼する事務所によって異なります。一括払いの場合は、受任後2〜3週間で書類が揃えば即座に申立てが可能です。
費用の一括払いが困難な場合でも、可能な限り2~3回程度の短期間での分割にするか、費用の一部を先払いして申立てを早める交渉を専門家とおこなうことで、期間短縮につながるでしょう。
自己破産の期間中にしてはいけないこと

自己破産の期間中は、以下のようなことをしないよう注意することが重要です。
- 財産を隠したり処分したりする
- 新たに借金をする
- 一部の借金を優先的に返済する
- 許可なく引越しや海外旅行をする
- 制限されている職種で仕事をする
- 裁判所や破産管財人の指示に従わない
- 自己破産が決定される前に離婚する
上記のような行為は、自己破産の期間を長引かせるだけでなく、日常生活に悪影響を及ぼすリスクもあるため避けましょう。
財産を隠したり処分したりする
自己破産の期間中は、財産を隠匿したり無断で処分したりすることは禁止されています。
破産法第252条では、財産を隠匿・損壊・債権者に不利益な処分をする行為を免責不許可事由として明記しており、該当すると借金の免責が受けられません。
悪質な場合は、詐欺破産罪として10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科される可能性もあります。禁止される具体的な行為は、以下のとおりです。
- 預金の隠匿
- 保険解約返戻金の未申告
- 自動車の名義変更
- 不動産の贈与・売却
- 現金・貴金属の隠匿
- 家族名義への財産移転
手続き直前の家族名義口座への送金や、高額商品の購入後転売なども問題視されています。すべての財産は正直に申告し、処分が必要な場合は必ず弁護士・破産管財人の指示に従うことが重要です。
新たに借金をする
自己破産手続き中の新規借入は、手続きの失敗リスクを高める重大な違反行為として禁止されています。破産法第252条第1項第3号により、支払不能状態で債権者を害する目的での新規借入は免責不許可事由となります。
また、破産申立て後の借金は手続きの対象外となるため、自己破産したにもかかわらず借金が残るリスクがあることは把握しておきましょう。
主に、以下のような借入が禁止されています。
- 消費者金融からの新規借入
- 銀行カードローン
- クレジットカードでのキャッシング・ショッピング
- 個人からの借金
- 給料の前借り
弁護士費用や生活費を工面するための借入でも、免責不許可となるケースもあり、家族名義での借入も実質的に本人の債務と認定される場合があります。
どうしても生活費が必要な場合は、弁護士に相談して生活保護の申請や親族からの無償援助を検討し、借入以外の方法で資金を確保することが重要です。
一部の借金を優先的に返済する
自己破産の期間中は、特定の債権者だけに優先的に返済する「偏頗弁済(へんぱべんさい)」が禁止されています。
破産法第252条第1項第3号は、特定の債権者に対する担保の供与や債務の消滅行為を免責不許可事由と定めており、すべての債権者を平等に扱うという破産制度の根本原則を守ることを目的としています。
親族や保証人がいる債務でも例外はなく、禁止される返済には、以下のようなものがあります。
- 親族への借金の優先返済
- 保証人付きローンの完済
- 迷惑をかけたくない特定業者への支払い
- 住宅ローンの継続支払い
- 自動車ローンの維持
弁護士への受任通知後に「この人だけには返済したい」という気持ちで支払いを継続するケースが典型例で、クレジットカードの一部だけを残そうとする行為も禁止です。
受任通知後はすべての債権者への支払いを完全に停止し、弁護士の指示にしたがって手続きを進めることが、自己破産をスムーズに進めるための条件です。
許可なく引越しや海外旅行をする
破産手続開始決定後は、裁判所の許可なく居住地を離れることが法的に禁止されており、違反すると手続きに悪影響を与えます。
破産法第37条により、破産者は裁判所の許可を得なければ居住地を離れることができません。これは破産者の所在を明確にし、手続きへの協力を確保し、財産隠しや逃亡を防ぐための規定です。
無許可での移動は免責不許可事由の「説明義務違反」や「重要財産開示義務違反」に該当する可能性があります。許可が必要な移動は、転居や引越し(同一市内でも)、2泊以上の旅行や長期出張などです。日帰りや1泊程度の国内移動は、通常許可不要とされています。
仕事の転勤や家族の事情による引越しでも、無許可でおこなうことで手続きが複雑化するおそれもあります。急な移動が必要な場合は、必ず事前に相談することが重要です。
制限されている職種で仕事をする
破産手続開始決定から免責確定まで、特定の職業や資格が制限され、違反すると職を失うリスクがあります。破産法や各職業の根拠法により、他人の財産を扱う職業や高い信用性が求められる資格については、破産者の就業が制限されます。
制限は免責許可決定の確定により、自動的に解除(復権)されますが、制限期間中の就業継続は法的に不可能です。主に、以下のような職業や資格が制限されます。
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 宅地建物取引士
- 警備員
- 生命保険募集人
- 会社の取締役・監査役
- 後見人・保佐人
自己破産前から該当職種で働いている場合は、事前に勤務先への説明方法を弁護士と相談し、復権までの期間の業務調整や休職について会社と協議することが重要です。
裁判所や破産管財人の指示に従わない
裁判所や破産管財人への非協力的態度は、免責不許可の直接的原因となる手続き違反です。破産法第40条では破産者の説明義務、第41条では重要財産開示義務を規定しており、これらに違反した場合は、破産法第252条第1項第7号の免責不許可事由に該当します。
また、破産管財人の調査や指示に従わない場合は、手続きの円滑な進行を阻害し、最終的に免責不許可の判断につながります。
具体的な禁止行為は、以下のとおりです。
- 裁判所への出頭拒否
- 破産管財人との面談拒否
- 家計簿等の提出拒否
- 財産状況の虚偽報告
- 債権者集会への無断欠席
- 管財人からの連絡を無視する行為
管財人の財産調査に協力せず、預金通帳の提出を拒んだために免責が不許可となるケースもあります。
自己破産の手続き中は、すべての指示や要求に誠実に対応し、不明な点は積極的に質問して確認する姿勢が求められるでしょう。
自己破産が決定される前に離婚する
破産手続き中や直前の離婚は、財産隠しの疑いをもたれ、手続きに悪影響を与える可能性があります。離婚に伴う財産分与や慰謝料の支払いは、実質的に財産の移転となるため、債権者を害する行為として免責不許可事由に該当するためです。
とくに破産申立て前後の離婚は、財産隠しを目的とした偽装離婚の疑いをもたれるリスクが高く、裁判所や破産管財人による厳格な調査対象となります。
問題となる具体的なケースは、以下のとおりです。
- 申立て直前の離婚届提出
- 離婚による住宅の名義変更
- 預貯金の財産分与
- 退職金の前倒し受給
- 配偶者への資産贈与
実際に夫婦関係が破綻していても、タイミングが破産手続きと重複すると偽装と疑われる場合があるため、自己破産の手続き期間中の離婚は避けたほうがいいでしょう。
どうしても緊急性がある場合は事前に弁護士に相談し、偽装ではないことを明確に証明できる資料を準備したうえで慎重に進めることが必要です。
自己破産の期間に関するよくある質問

自己破産の期間に関するよくある質問は、以下の3つです。
Q. 自己破産した情報は何年で消える?
Q. 自己破産後どのくらいの期間でクレジットカードを作れる?
Q. 自己破産以外に借金を免責する方法はある?
自己破産後の生活において重要な情報も含まれているため、ぜひ回答をご確認ください。
Q. 自己破産した情報は何年で消える?
A. 自己破産情報の消去期間は、以下のように信用情報機関によって異なります。
- CIC・JICC:約5年
- KSC:約7年
信用情報は3つの機関が独立して管理しており、各機関で登録基準と保有期間が定められています。
具体的な情報登録期間は、CIC(クレジットカード会社系)とJICC(消費者金融系)は契約終了・完済報告日から約5年間、KSC(銀行系)は破産手続開始決定日から約7年間です。
実際の情報削除の確認は、各機関への開示請求によって現状確認が可能です。CRIN(相互交流ネットワーク)により、機関間で一部情報は共有されますが、保有期間は各機関の規定によって定められています。
信用回復の計画を立てる際は、もっとも長期間情報を保有するKSCの約7年を基準とし、約5年経過時点でCIC・JICCの情報削除を確認して、クレジットカードを段階的に新規申請してみるのが現実的です。
Q. 自己破産後どのくらいの期間でクレジットカードを作れる?
A. 自己破産後のクレジットカード作成は、一般的に約5〜7年経過後から可能になりますが、段階的なアプローチが成功の鍵となります。
クレジットカードの審査では、主にCICの信用情報が参照されるため、5年経過後に情報が削除されれば申請可能です。ただし、過去の取引履歴がないスーパーホワイト状態では、かえって審査に通りにくい場合があるため、信用履歴の再構築が必要です。
約5年経過後には、楽天カードやイオンカードなどの流通系カードが比較的審査を通りやすく、約6〜7年経過後には銀行系カードも含めて選択肢が広がります。信用履歴の構築には公共料金・携帯料金の口座振替やデビットカードの利用実績が有効です。
なお、短期間での複数申込みは、信用情報に悪影響を及ぼすおそれがあります。過去に自己破産で迷惑をかけた会社系列のカードは、長期間審査が困難になるため、再申請は避けたほうがよいでしょう。
Q. 自己破産以外に借金を免責する方法はある?
A. 自己破産以外の債務整理方法としては、任意整理や個人再生などがありますが、完全な免責ではなく減額・分割払いによる解決となります。日本の法制度では、借金をゼロにする完全免責は自己破産のみに認められています。
他の債務整理は、借金の減額や支払い条件の変更による解決を目的としており、一定の返済義務は残るのが特徴です。ただし、自己破産より短期間で手続きが完了し、職業制限もないなどのメリットはあります。
たとえば、任意整理では利息をカットし、3〜5年での分割払い(元本は原則全額返済)となったり、個人再生では借金を大幅に減額し、3年での分割払いが可能になったりします。
各手続きの選択基準は安定収入の有無や住宅保持の必要性、借金総額と返済能力のバランスなどです。
まず弁護士に相談して収支状況を分析し、利息カットや借金減額などで解決できる場合は任意整理を検討し、それでも返済困難な場合に自己破産を選択しましょう。
まとめ

自己破産の期間は手続きの種類により異なります。同時廃止事件では約4〜8ヶ月、管財事件では約6ヶ月〜1年以上が目安となります。
期間短縮のコツは、弁護士への早期相談や必要書類の迅速な収集、費用の一括払いなどが効果的です。手続き中は財産隠しや偏頗弁済などの禁止行為を避け、裁判所の指示に従うことが重要です。
適切な準備と専門家への相談により、自己破産の手続きを円滑に進められ、経済的な再生への道筋を確実に歩めるでしょう。

京都大学経済学部卒業、同大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。
千代田中央法律事務所を開設し、スタートアップの資本政策・資金調達支援、M&Aによるエグジット・成長戦略の専門職支援と法人破産手続き、事業再生手続きによる再生案件を取り扱う。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動経験あり。

