自己破産

自己破産するとどうなる?家族や職場への影響と自己破産以外の解決策を紹介 | 千代田中央法律事務所

悩む男性 自己破産

毎月の返済に追われ、夜も眠れない日々が続き、自己破産を検討している方もいるのではないでしょうか。

  • 自己破産するとどうなるのか?
  • 家や車はどうなるのか?
  • 会社や家族に知られるのか?

上記のような不安を抱いている方のために、本記事では自己破産のメリットやデメリットを紹介します。家族や仕事、財産などへの影響をわかりやすく解説しています。

さらに、自己破産以外の借金の解決方法も紹介しているので、借金の返済に悩まされている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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自己破産するとどうなる?

公園のベンチで頭を抱える男性 Man

まずは、自己破産するとどうなるのかを、以下のような具体的な影響に分けて解説します。

それぞれ詳しい内容を見ていきましょう。

借金の支払い義務が免除される

自己破産によって、裁判所から免責許可決定を受けることで、ほぼすべての借金の支払い義務から法的に解放されます。消費者金融やクレジットカード会社からの借入れ、銀行ローンなど、どれだけ多額であっても免除の対象です。

ただし、すべての債務が免除されるわけではありません。税金や社会保険料、養育費や故意の不法行為による損害賠償金などは、非免責債権として支払い義務が残ります。

たとえば、1,000万円の消費者金融からの借金と100万円の滞納税金がある場合、消費者金融への債務は免除されますが、税金は引き続き支払わなければいけません。

自己破産は、借金を踏み倒すための制度ではなく、返済不能な状態に陥った方に経済的な再生のチャンスを与えるための法的救済措置です。

保証人に返済義務が生じる可能性がある

自己破産の注意点として、保証人や連帯保証人への影響が挙げられます。自己破産で本人は借金の支払い義務を免れても、保証人の債務は消滅しません。

債権者は、自己破産した本人に代わり、保証人に対して債務の支払いを求めることになります。

保証人への債務の支払いで注意する点は、通常分割で返済していた債務が、保証人に対しては一括請求となる可能性がある点です。

たとえば、親が保証人になっている300万円の借金がある場合、自分が自己破産すると、親に対して300万円の一括返済を求められるおそれがあります。

保証人への影響を避けるためには、保証人がついている借金については、自己破産ではなく任意整理をはじめとした別の債務整理を検討したり、保証人自身も債務整理の対象にしたりするなどの対策が必要です。

自己破産を検討する際は、保証人がいる場合の影響も含めて、早急に弁護士に相談しましょう。

家や車などの財産は原則手放すことになる

自己破産をすると、一定価値以上の財産は原則として処分または売却の対象となります。債務者の再生機会を確保しつつ、債権者にも可能な限り公平に返済するという制度の趣旨から成り立つ仕組みです。

処分対象となる主な財産には、以下のようなものがあります。

  • 不動産(マイホームや所有している土地など)
  • 価値20万円以上の自動車
  • 預貯金(合計額が20万円を超える部分)
  • 解約返戻金が20万円を超える生命保険

一方で、以下のようなものは、自由財産として手元に残すことが可能です。

  • 99万円以下の現金
  • 生活に必要な家財道具
  • 仕事に必要な道具

また、自由財産の拡張制度を利用すれば、通勤に必要な車など、生活再建に不可欠な財産を裁判所の判断で残せる可能性もあります。

携帯電話の分割契約ができなくなる可能性がある

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されるため、携帯電話をはじめ、分割払いで購入することが難しくなります。携帯電話の分割払いは実質的なローン契約であり、与信審査の対象となるためです。

たとえば、最新のスマートフォンを24回払いで購入しようとしても、審査に通らず一括払いを求められることがあります。

自己破産すると、信用情報機関に約5~7年間、自己破産の情報が登録されるため、その間は分割での契約ができません。

スマートフォンを購入する場合は、比較的安価な機種を一括購入したり、デビットカードでの支払いに対応しているキャリアを選んだりするとよいでしょう。

家族に経済的・精神的な影響を与えることがある

自己破産は個人の法的手続きですが、家族にもさまざまな影響を及ぼすことがあります。法律上、家族の財産や信用情報には直接の影響はありませんが、家族への影響は少なからずあることは頭に入れておきましょう。

たとえば、家族が保証人になっている場合、債権者から家族に対して一括返済を求められるケースがあり、家族の経済状況を大きく悪化させるおそれがあります。

また、家計の管理者が破産することで、生活水準の変化や教育費の削減など、家族全体の経済状況に影響することもあるでしょう。

心理的には、自己破産の事実を家族に打ち明けることへのおそれや、家族との信頼関係に影響する可能性もあります。

家族への影響を最小限にするためにも、状況を正直に伝え、専門家に相談しながら手続きを進めることが大切です。

一部の職業に就けなくなるおそれがある

自己破産手続き中は、公共の利益や信用秩序を保護するための措置として、一部の特定の職業に就くことが一時的に制限されます。

制限される主な職業は、以下のとおりです。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 生命保険募集人
  • 宅地建物取引士
  • 警備員

上記のように、他人のお金や財産を扱う、または高い信頼性が求められる職業は制限の対象です。

ただし、制限は永久的なものではなく一時的なもので、同時廃止事件の場合は約3~4ヶ月、管財事件でも約5~13ヶ月程度といわれています。

基本的にはほとんどの職業に制限はなく、雇用主が従業員の自己破産を理由に解雇することも、法的に不当解雇として認められていません。

旅行や引越しには裁判所の許可が必要になる場合がある

自己破産手続き中、管財事件となった場合は、破産管財人の調査に協力する義務があるため、居住地を離れる長期旅行や引越しに制限がかかることがあります。

管財事件の場合で、海外旅行や長期の国内旅行、転居を計画する際には、事前に破産管財人や裁判所に連絡し許可を得ることが必要です。

ただし、日帰りや1〜2泊程度の短期旅行、日常的な通勤や通学範囲内の移動は制限されません。

一方、同時廃止事件の場合は、破産管財人が選任されないため、移動の制限はほとんどありません。ただし、住所が変わった場合は、裁判所からの重要な通知が届くよう、すみやかに住所変更を届け出てください。

もし、自己破産手続き中に旅行や引越しの予定がある場合は、事前に弁護士に相談しておくことで、トラブルなく手続きを進められるでしょう。

クレジットカードやローンなどの審査に通りにくくなる

自己破産をすると、一定期間は新たなクレジットカードの作成やローンの利用が不可能になります。自己破産の情報が信用情報機関に、事故情報として登録されるためです。

信用情報機関は主に3つあり、それぞれの事故情報の登録期間は、以下のとおりです。

信用情報機関事故情報の登録期間の目安
CIC(指定信用情報機関)約5年
JICC(日本信用情報機構)約5年
KSC(全国銀行個人信用情報センター)約7年

登録期間が終わったからといって、すぐに多額のローンを組むのは避けましょう。まずは、信用回復のために、まず携帯電話の分割払いや少額のクレジットカードの契約など、審査に通りやすそうなものからはじめましょう。

自己破産後の生活でクレジットカードが必要な場合は、デビッドカードを代用すれば、日常生活への支障は少なく済みます。

年金や選挙権などの公的権利には影響しない

自己破産をしても、年金の受給権や選挙権、被選挙権といった基本的な公的権利は一切影響を受けません。自己破産は経済的な再生を目的とする法的手続きであり、憲法で保障された基本的人権を制限するものではないからです。

国民年金や厚生年金の受給権は完全に保護され、将来もらえる年金額が減ることもありません。選挙で投票する権利や立候補する権利も、同様に保障されています。

また、戸籍や住民票にも自己破産の事実は記載されないため、結婚や離婚といった身分行為にも法的な影響はないでしょう。

パスポートの取得や海外渡航も原則自由ですが、管財事件の手続き中は一時的に制限される場合があります。

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自己破産前にやってはいけない行動とリスク

作業服の上に置かれた督促状と催告書

自己破産前または手続き中は、以下のような行動は避けましょう。

それぞれの行動に対するリスクを解説します。

財産隠し

自己破産を考えはじめたとき、少しでも財産を手元に残したいという気持ちから、預金を引き出したり、家族名義に財産を移したりしたくなる方もいます。

しかし、自己破産中の財産隠しは、財産隠匿(ざいさんいんとく)と呼ばれる重大な違反行為です。

破産手続きでは、債務者の財産を債権者に公平に分配するという原則があります。原則に反して意図的に財産を隠す行為は、免責不許可事由になるだけでなく、詐欺破産罪として刑事罰の対象になるリスクもあります。

財産隠しに該当する具体的な例は、以下のとおりです。

  • 申立て直前に預金を引き出して現金化する
  • 高価な資産を無償または著しく安い価格で親族に譲渡する
  • 他人名義の口座に資金を移す

破産手続きでは、過去1~2年分の預金通帳の提出が義務付けられているため、不自然な出金は必ず発覚します。自己破産を検討したら、財産に関する判断は必ず弁護士に相談しましょう。

親族への返済

親族や友人からの借金だけは返したいという気持ちから、自己破産を検討しはじめた段階で親族や友人だけに優先的に返済するケースもあります。

しかし、親族や友人への優先的な返済は、偏頗弁済(へんぱべんさい)と呼ばれる問題行為です。

破産法では債権者平等の原則があり、すべての債権者を公平に扱うことが求められます。返済困難になった後に、特定の債権者だけを優遇して返済することは、この原則に反するため禁止です。

とくに親族や友人への返済は、他の債権者を犠牲にして親しい人を守ろうとする意図が明らかなため、より厳しく審査されます。

親族や友人への借金が心配な場合は、自己破産ではなく、対象債権者を選べる任意整理をはじめ、別の債務整理方法を弁護士と相談して検討するとよいでしょう。

駆け込みの借入れやカード現金化

経済的に追い詰められると「どうせ自己破産するなら、もう少し借りても同じではないか」と考えてしまうかもしれません。

しかし、自己破産を考えている段階で新たな借入れやクレジットカードの現金化をおこなうことは、詐術による信用取引という重大な免責不許可事由に該当するおそれがあります。

具体的には、以下のような行為です。

  • 破産直前にキャッシングの限度額いっぱいまで借りる
  • 利用していなかったクレジットカードで高額な買い物をする
  • カードショッピングで購入した商品を換金する

返済能力がないことを認識しながら新たに借金をすることは、詐欺的な行為と見なされます。

裁判所は破産直前の借入れや現金化について厳しく審査し、返済する意思なく借りたと判断すれば、その借金については免責を認めない決定を下す可能性もあります。

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自己破産以外の解決策

相談をうける女性

自己破産を検討している場合でも、そのほかの解決策で借金の免除や減額が可能になるかもしれません。

自己破産以外の債務整理の方法を検討する場合は、以下のような解決策がおすすめです。

それぞれ具体的な内容を見ていきましょう。

まずは弁護士に相談する

多額の借金を抱えると、自己破産しかないと思い込む方もいるかもしれませんが、そのほかにも状況に応じた複数の解決策があります。

そのため、自分の判断だけで解決策を決めるのではなく、まずは債務整理に詳しい弁護士に相談することが大切です。

弁護士は債務整理の専門家として、以下の状況を総合的に判断し、最適な解決策を提案してくれます。

  • 自分の借金総額
  • 収入状況
  • 資産の有無
  • 保証人の有無

多くの弁護士事務所では初回相談を無料で受け付けており、30分程度の相談でも自分の状況に合った解決策が見えてくるかもしれません。

また、全国各地に設置されている法テラス(日本司法支援センター)でも、無料法律相談を実施しています。

「もう少し頑張れば返せるかも」と問題を先送りにすると、利息の増加や差押えなど状況が悪化するおそれがあるため、早い段階で相談し、問題解決の選択肢を広げましょう。

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家を残したいなら個人再生を検討する

「家(マイホーム)だけは手放したくない」という方には、個人再生という債務整理方法がおすすめです。個人再生は、裁判所の監督のもとで借金を大幅に減額し、3〜5年かけて分割返済していく手続きになります。

最大の特徴は、住宅資金特別条項(住宅ローン特則)という制度です。制度を活用することで、住宅ローンだけは通常通り返済を続けながら、クレジットカードや消費者金融などの借金を減額できます。

たとえば、住宅ローンが2,000万円あり消費者金融の借金が500万円ある場合、住宅ローンの返済は続けながら500万円の借金を減額し、3年間で分割返済する計画が立てられます。

ただし、個人再生を利用するには、安定した収入があることが条件です。借金の原因がギャンブルや浪費などの場合も対象であるため、自己破産では免責が難しいケースでも利用できる可能性があります。

利息や遅延損害金減らすなら任意整理を検討する

借金の元本自体は返済できそうでも、高い利息や遅延損害金で苦しんでいる場合は、任意整理という方法が最適かもしれません。任意整理は生活への影響が少なく、柔軟性が高い債務整理です。

任意整理では、弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、将来の利息をカットして返済計画を立て直します。裁判所を介さない私的な交渉になるため、整理する債務を選択できる点がメリットです。

たとえば、クレジットカードのリボ払いや消費者金融から借りた300万円の借金があり、毎月返済しても利息で元金がほとんど減らない状況だとします。

任意整理で将来利息をゼロにすれば、返済額がすべて元金返済に充てられるようになります。

また、親族が保証人になっている借金や車のローンなどを手続きから除外できるため、保証人に迷惑をかけずに債務整理ができるでしょう。

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自己破産に関するよくある質問

破産 背景

ここでは、以下3つの自己破産に関するよくある質問に回答します。

  1. 自己破産の手続きにはどれくらいの期間がかかる?
  2. 自己破産するとブラックリストにはどれくらい載る?
  3. 自己破産すると戸籍や住民票に記録される?

それぞれ具体的な回答内容を見ていきましょう。

Q. 自己破産の手続きにはどれくらいの期間がかかる?

A. 自己破産の手続き期間は、事件のタイプによって異なります。事件は主に、同時廃止事件と管財事件の2つに分けられ、それぞれの必要な期間は以下のとおりです。

自己破産の事件のタイプ手続きに必要な期間
同時廃止事件3〜4ヶ月
管財事件6ヶ月〜1年

同時廃止事件は、配当するほどの価値ある財産がない場合に適用される簡易的な手続きのため、比較的短い期間で済みます。

一方で管財事件は、一定以上の財産がある場合や、ギャンブルや浪費といった借金の原因に問題がある場合に適用される複雑な手続きです。そのため、少なくとも6ヶ月、複雑な事案では1年以上かかることもあります。

東京地方裁判所をはじめ一部の裁判所では、少額管財事件という簡略化された管財事件を運用しており、約4~6ヶ月程度で手続きを済ませられる場合もあります。

Q. 自己破産するとブラックリストにはどれくらい載る?

A. 自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。情報機関に事故情報が載ることを、一般的にはブラックリストに載るといいます。

日本には主に、3つの信用情報機関があり、それぞれの事故情報の登録期間は以下のとおりです。

  • CIC(指定信用情報機関):約5年
  • JICC(日本信用情報機構):約5年
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター):約7年

ブラックリストの掲載期間中は、新たなクレジットカードの作成や各種ローン契約、携帯電話の分割払いなど、信用を必要とした契約が極めて困難になります。

Q. 自己破産すると戸籍や住民票に記録される?

A. 「自己破産すると戸籍に情報が載るのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、自己破産の事実は戸籍や住民票には一切記載されません。

戸籍は出生や婚姻、死亡などの身分関係を証明する公文書、住民票は居住関係を証明する公文書であり、個人の財産状況や債務整理の事実が記載されることはありません。

自己破産の情報が公示されるのは、官報という国の公報だけです。官報には、破産手続開始決定と免責許可決定の際に、氏名と住所が掲載されます。

官報は、主に法律の専門家や金融機関が購読するものであり、一般の方が確認することは少ないでしょう。

「自己破産すると周りの人に知られるのではないか?」という不安に感じる方もいるかもしれませんが、実際に知られる可能性は極めて低いといえます。

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まとめ

頭を抱えるビジネスマン

自己破産は借金問題を解決する有効な手段ですが、財産を手放す必要があるなど一定の制約も伴います。

生活に必要な99万円以下の財産は残せますが、クレジットカードやローンの利用、携帯の分割契約が難しくなる可能性があります。

借金問題を解決するためには、自己破産以外にも個人再生や任意整理など、さまざまな解決策を検討することが大切です。

自分のケースにあった解決策を見つけるためにも、まずは早めに弁護士をはじめとした専門家に相談し、最適な解決方法を提案してもらいましょう。

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京都大学経済学部卒業、同大学経営管理大学院修了(MBA)
旧司法試験合格、最高裁判所司法研修所を経て弁護士登録(日本弁護士連合会・東京弁護士会)。

千代田中央法律事務所を開設し、スタートアップの資本政策・資金調達支援、M&Aによるエグジット・成長戦略の専門職支援と法人破産手続き、事業再生手続きによる再生案件を取り扱う。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)では国際化支援アドバイザーとしても活動経験あり。